相続税専門税理士の富山です。
今回は、相続があって、相続税申告や遺産分けをするために、亡くなった方の財産の内容を見てみたところ、全く他人の土地が亡くなった方のモノとして登記されていたり、逆に、亡くなった方が持っているはずの土地が、全く他人の方の名義で登記されていたりした場合の対応について、お話します。
税務は実態で判断
このブログでも何回かお話してきていますが、税務は実態で判断します。
亡くなった方の名義になっていなければ、その財産は相続財産から除外できる、というワケでは必ずしもありません。
例えば、旦那さんが亡くなる前に、奥さん名義で預金を積んだとしても、その預金は旦那さんの相続財産です。
旦那さんが奥さんの「名前を借りて」お金を積んでいる、ということです。
想う相続税理士秘書
亡くなった方が生前に購入し、所有し続けていた土地が、全く他人の方の名義になっている場合、その他人名義であることをもって、相続財産から除外することはできません。
また、亡くなった方名義の土地があっても、その土地が、亡くなった方が生前に購入したり、または、相続や贈与により取得したりしていない、つまり、亡くなった方のモノではないのであれば、当然、相続財産から除外する必要があります。
間違いを見つけたら正しい名義に直す
不動産の数が多いと、その相続登記や所有権移転登記の際、間違った登記をしてしまっている場合もあります。
その場合には、正しい名義に直す必要があります。
過去の登記をやり直すか、それが難しい場合には、真正な登記名義の回復の登記により対応することになります。
事前に税務署に相談を
名義を変えると、贈与税や所得税(譲渡所得)の申告が必要になるのではないか、と心配される方もいらっしゃるかと思います。
名義を正しく修正するための登記ですから、贈与税や所得税の課税は生じません。
とはいえ、その登記情報は法務局から税務署に提供されます。
税務署は、不動産の名義が変わっていれば、そこに課税が生じると考えます。
後から課税の問題が発生しないよう、前もって税務署に相談することをお勧めします。
想う相続税理士