【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

地積規模の大きな宅地の白地地域・補正率BC・重複適用・倍率地域の注意点

相続税専門税理士の富山です。

今回は、地積規模の大きな宅地の評価における、「都市計画区域内の用途地域の指定のない区域(白地地域)」「規模格差補正率の計算要素BC」「他の補正率等との重複適用の可否」「倍率地域に所在する地積規模の大きな宅地」に関する注意点について、お話します。


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評価対象地が用地地域の定められていない地域にある場合

地積規模の大きな宅地の評価において、評価対象地が都市計画法に規定する工業専用地域に所在する場合には、適用対象外となりますが、用途地域の定められていない地域に所在する場合には、どのように考えればいいのでしょうか?

この場合には、工業専用地域以外に所在するモノとして取扱います。

「『用地地域の定められていない地域に所在する』ということは、『工業専用地域に所在する』ということではない」ので、この適用除外要件には該当しない、ということになります。

三大都市圏と三大都市圏以外の相違点

地積規模の大きな宅地の評価で使用する「規模格差補正率」の算式の構造
(A×B+C)/A×0.8
は、「三大都市圏に所在する宅地」「三大都市圏以外の地域に所在する宅地」で変わりません。

しかし、その要素B・Cは変わりますので、面積要件の判定における「500㎡以上」「1,000㎡以上」の違いしかない、と勘違いしないよう、ご注意を。

他の補正率との重複適用の可否

地積規模の大きな宅地の評価により規模格差補正率を適用した場合でも、下記にあるとおり、奥行価格補正率等を適用(重複適用)することが可能です。

資産評価企画官情報・第5号・資産課税課情報・第17号・平成29年10月3日・国税庁・資産評価企画官・資産課税課・「財産評価基本通達の一部改正について」通達等のあらましについて(情報)(一部抜粋加工)
ホ 「地積規模の大きな宅地の評価」に係る規模格差補正率と各種補正率の適用関係
従来の広大地の評価に係る広大地補正率では、上記1⑵のとおり、土地の個別的要因に係る補正が全て考慮されているが、「地積規模の大きな宅地の評価」に係る規模格差補正率は、上記イのとおり、地積規模の大きな宅地を戸建住宅用地として分割分譲する場合に発生する減価のうち、主に地積に依拠するものを反映しているものであり、それ以外の土地の個別的要因に係る補正については考慮していない。
したがって、地積規模の大きな宅地を戸建住宅用地として分割分譲する場合に発生する減価のうち、主に地積に依拠するもの以外の土地の形状、道路との位置関係等に基づく個別的要因に係る補正については、別途、評価通達 15((奥行価格補正))から20((不整形地の評価))まで及び 20-3((無道路地の評価))から 20-6((容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価))までの定めを適用して評価上考慮することとなる。また、セットバック部分がある場合には、別途、評価通達 24-6((セットバックを必要とする宅地の評価))の定めを適用して評価することとなる。

倍率地域に所在する場合

「地積規模の大きな宅地の評価」の対象となる宅地が倍率地域に所在する場合には、

  1. その宅地の固定資産税評価額に倍率を乗じて計算した価額【通常の評価額】
  2. その宅地が標準的な間口距離および奥行距離を有する宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額に、普通住宅地区の奥行価格補正率や不整形地補正率などの各種画地補正率のほか、規模格差補正率を乗じて求めた価額に、その宅地の地積を乗じて計算した価額【地積規模の大きな宅地の評価による評価額】
のいずれか低い価額により評価します。

想う相続税理士

倍率地域に所在する宅地については、必ず地積規模の大きな宅地の評価を適用しなければならない、というワケではありませんので、ご注意を。