【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

亡くなった後に振込まれた国民年金に相続税はかかる?

バーチャル相談問答
父が亡くなり、相続税の申告をする必要があります。

亡くなった後に、国民年金の入金がありました。

このお金も相続財産として申告する必要があるのでしょうか?

想う相続税理士

未支給分の国民年金は、相続税の課税対象とはなりません。
解説・補足
国民年金は、「2ヶ月に1回の後払い」であるため、相続があると必ず未支給分が発生する

これは、亡くなった方の相続財産として、相続税の申告対象になるのではなく、遺族の一時所得として、所得税の確定申告の対象となる

国税庁ホームページ(一部抜粋)

国民年金法に基づく未支給年金請求権の相続性については、最高裁判決(平成7年11月7日)において、その相続性を否定しています
すなわち、国民年金法第19条の規定については、同条が未支給年金の支給請求することのできる者の範囲及び順位について民法の規定する相続人の範囲及び順位決定の原則とは異なった定め方をしており、これは民法の相続とは別の被保険者の収入に依拠していた遺族の生活保障を目的とした立場から未支給の年金給付の支給を一定の遺族に対して認めたものと解されているものです。
したがって、未支給年金請求権を本来の相続財産として相続税の課税対象となると解することはできません

国税庁ホームページ(一部抜粋)

未支給年金請求権は、国民年金法の規定に基づき一方的に付与されるものであることから契約に基づかない権利(請求権)でありますが、相続税法第3条第1項第6号に規定する「これに係る一時金」には、継続受取人が受給を受けるべき「定期金が特別に又は選択的に一時金とされる場合の一時金のみが含まれる」こととされている趣旨からすると、照会の場合の未支給年金については、定期金ではなく最初から一時金のみを支給するものであるため、同号に規定するみなし相続財産にも該当しません

国税庁ホームページ(一部抜粋)

未支給年金請求権については、死亡した受給権者に係る遺族が、当該未支給の年金を自己の固有の権利として請求するものであり、死亡した受給権者に係る相続税の課税対象にはなりません
なお、遺族が支給を受けた当該未支給の年金は、所得税基本通達34-2により、当該遺族の一時所得に該当します

所得税基本通達
34-2 遺族が受ける給与等、公的年金等及び退職手当等
死亡した者に係る給与等、公的年金等及び退職手当等で、その死亡後に支給期の到来するもののうち9-17により課税しないものとされるもの以外のものに係る所得は、その支払を受ける遺族の一時所得に該当するものとする。

相続後には、「葬祭費」「埋葬料(埋葬費)」の振込もありますが、これらも非課税(相続税だけでなく所得税も非課税)となります。

想う相続税理士