【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

相続税の申告期限までに遺産分けが決まらなそうな場合にはどうすればいい?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続税の申告期限が近づいているのに、遺産分けの話し合いがまとまらない、という場合の対応について、お話します。


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相続税の申告期限は10ヶ月

国税庁HP・タックスアンサー(一部抜粋)
No.4205 相続税の申告と納税
概要
申告の期限と方法
相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月以内に行うことになっています。
例えば、1月6日に死亡した場合にはその年の11月6日が申告期限になります。

原則として、この10ヶ月が延長されることはありません(災害等による期限の延長を除く)。

遺産分けが決まっていようがなかろうが10ヶ月

「相続税は財産をもらったら、そこから払うんでしょ?遺産分けが決まっていなかったら、財産がまだもらえないんだから、相続税は払えないよね?だから、10ヶ月が来ても、まだ払わなくても(申告しなくても)いいんだよね?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、遺産分けが決まっていなくても、10ヶ月以内に申告しなければなりません。

相続税法(一部抜粋)
第55条 未分割遺産に対する課税
相続若しくは包括遺贈により取得した財産に係る相続税について申告書を提出する場合又は当該財産に係る相続税について更正若しくは決定をする場合において、当該相続又は包括遺贈により取得した財産の全部又は一部が共同相続人又は包括受遺者によつてまだ分割されていないときは、その分割されていない財産については、各共同相続人又は包括受遺者が民法(第904条の2(寄与分)を除く。)の規定による相続分又は包括遺贈の割合に従つて当該財産を取得したものとしてその課税価格を計算するものとする。

ザックリ言うと、遺産分けが決まらない場合には、各相続人が財産を法定相続分に従って取得したモノと仮定して、相続税の申告納付をする必要があります(10ヶ月以内)。

ただし、その後において当該財産の分割があり、当該共同相続人又は包括受遺者が当該分割により取得した財産に係る課税価格が当該相続分又は包括遺贈の割合に従つて計算された課税価格と異なることとなつた場合においては、当該分割により取得した財産に係る課税価格を基礎として、納税義務者において申告書を提出し、若しくは第32条第1項に規定する更正の請求をし、又は税務署長において更正若しくは決定をすることを妨げない。

その後に遺産分けが決まったら、その決まった内容に従って、申告のやり直し(修正申告・更正の請求等)をすることができます。

申告期限が迫っているから遺産分けが決まる場合もある

「相続税の申告期限において遺産分けが決まっていなくても、法定相続分で財産を取得したモノと仮定してとりあえず相続税の申告納付をしておけば税務署的にはOKで、その後に遺産分けが決まったら、申告をやり直せばいいのか、じゃあ、それでいいや」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ほとんどの方はそう考えません。

私がお客様にそのような流れを説明しても、「2回もわざわざ申告するのは嫌だ、いつか決めなくちゃいけないんだったら、申告期限までに決めちゃって、申告は1回で済ませたい」とお考えになる方の方が圧倒的に多いです。

「相続税の申告期限までに遺産分けを決めちゃおう!いったん法定相続分で申告して、その後ゆっくり遺産分けの話し合いをしよう、なんてことになったら、逆にダラダラしていつ決まることになるか分からないし・・・」とお考えになるのです。

申告期限があることで、「申告期限までに一発で終わらせよう!」と相続人の皆さんが協力し合う、というプラスの効果が出る場合があるのです(出るように話を進めましょう)。

想う相続税理士

各相続人が財産を法定相続分に従って取得したモノと仮定した申告の際、「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出しておけば、その後の申告のやり直し(修正申告・更正の請求等)において、一定の要件を満たせば、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例等の適用を受けることができます。