相続・相続税は十人十色
効果的な相続対策・相続税対策をするためには、きちんとステップを踏んで実行していくことが重要です。
単純に、こういうものが効果がある、と他から聞いたものを鵜呑みにして、同じように実践しても、あなたの相続においてそれが効果的かどうかは分かりません。
他の人がやって得しているのを知っているのに、それをやらないのは損だ、というような感覚になっていたら、要注意です。
かえって、何もしなかった方が、財産を残せて、また、相続人間のトラブルも発生しなかったのに、なんてこともあり得るのです。
単純に、みんなやっているから、これがいいって聞いたからと言って、なんでもかんでもやらないように気をつけましょう。
土台がなければ始まらない
まずは、相続の全体像を把握することが重要です。
財産や相続人の現状把握です。
どのような財産があり、どのような債務があるのか、 その一覧表を作成しましょう。
各相続人が、どのような状況下にいるか(それにより、相続の際にどのような主張をしてきそうか)、今まで、自分が平等に相続人に接してきたか(不満に思っている相続人はいないだろうか)に思いをはせ、また、振り返ってみましょう。
その相続人の立場になりきって考えないとダメですよ。
正確な財産の把握なくして相続税対策なんてあり得ない
相続税が「どのくらい」かかるか、ということだけを把握するのであれば、相続財産の全体の金額を概算で把握するだけでも良いかもしれませんが、遺産分けというのは、大きな財産だけではなく、小さな財産まで含めた全財産について、 相続人の中のどなたが相続するかを決めなければなりません。
1つの財産の取扱いがきっかけで、モメてしまうこともあるのです。
正確な相続税の申告、円満な遺産分けのためには、きちんとした財産の把握が必要不可欠です。
例えば、1つの相続税対策を検討するにしても、相続財産が正確に把握できていなければ、その対策によって、どれだけ相続税が少なくなるかを計算することはできません。
相続税が少額であれば、あえて何もやらない、というのも手です。
その相続税対策により、相続税が少なくなるけれども、手元の現金がなくなってしまい、いざという時の医療費等にお金が充てられない、なんてことになったら大変ですよ!