【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

モメるのが怖ければ最初から遺産を渡さない

相続税専門税理士の富山です。

今回は、遺産分割の注意点について、お話します。


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遺言は万能ではないけどかなり効果的

せっかく遺言を書いても、その通りに遺産分けができない場合もあります。

なぜなら、相続人に認められた最低限の取り分(「遺留分」)というモノがあるからです。

遺言による遺産分けにより「遺留分」相当の財産がもらえない相続人が、「遺留分の侵害額請求」をした場合には、財産を多く相続した方は、その「遺留分」に相当する財産を金銭で渡さなければなりません。

それだけ聞くと「遺言なんか作ってもしょうがないのかな?」と思うかもしれませんが、これが遺言がない場合だと、もっと財産を渡さなければならなくなります。

「遺留分」は基本的には法定相続分の半分です。

ですから、「遺留分の侵害額請求」をされたとしても、法定相続分の半分を渡せば済む、ということになります。

遺言がない場合には、遺産分割協議を行うということになるのですが、それがまとまらないと、家庭裁判所の「調停」「審判」へと進むことになります。

そうなると、「平等な遺産分け」という結論になることが多く、その場合には、「法定相続分での遺産分け」ということになります。

収入がない人を守る

相続があった場合、配偶者がご高齢のケースが多いと思います。

残された配偶者の方は、お連れ合いの方亡き後、様々な支払を全部、自分でしなければなりません。

通常の生活費の他、医療費がかかったり、施設に入られることになれば、自宅の維持費と施設での費用がダブルでかかってきます。

ご高齢だと、その配偶者の方の収入は、年金だけでしょうから、支払が大変です。

それに備えて、遺言を作成する場合には、配偶者に預貯金や換金性の高い財産を相続してもらうようにしましょう。

お金を請求された時に渡せるようにしてあげる

例えば、相続人になられる方が、配偶者・長男・長女の方だとします。

遺言で配偶者の方に自宅を相続させる場合や、長男に自社株式を相続させる場合、その評価額が高く、他にあまり財産がないときには、長女が相続できる財産が相対的に少なくなり、長女が配偶者や長男に遺留分を請求することになる可能性があります。

そのようなケースに備えて、配偶者や長男を受取人とする生命保険契約に加入しておくのも1つの方法です。

想う相続税理士

モメるのを避けるためには、「遺言の付言事項」も活用しましょう。