【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

相続時精算課税による贈与は課税先送り贈与

相続税専門税理士の富山です。

今回は、暦年課税贈与と相続時精算課税贈与の違い(「相続税との関係」)について、お話します。


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暦年課税贈与は基本的に贈与税で課税が完結する

暦年課税による贈与は、基本的には、その贈与税の申告・納税により、課税が完結します。

贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までに申告・納税すれば、それで終わりです(評価・計算が間違っていなければ、税負担は確定します)。

もちろん、贈与者が亡くなった場合に、その贈与財産が生前贈与加算の対象になると、相続税が課税されるため、そのパターンだと、贈与税の申告時には課税は完結しません。

ただし、生前贈与加算の対象になるのは、

受贈者が贈与者の相続で財産を取得した場合
かつ
その贈与時期がが生前贈与加算対象期間(令和8年相続までは相続開始前3年以内、順次7年に延長)に該当する場合

のみです。

父Aさんから長男Bさんが財産Cの贈与を受けたとします。

父Aさんの相続の際、父Aさんのすべての財産を二男Dさんが相続し、長男Bさんが(死亡保険金等を含めて)相続で取得したものがなければ、財産Cは生前贈与加算の対象とはなりません。

また、長男Bさんが父Aさんの相続の際に財産を相続したとしても、財産Cの贈与が10年前だったら、財産Cは生前贈与加算の対象とはなりません。

相続時精算課税贈与は絶対に贈与税で課税が完結しない

相続時精算課税による贈与は、令和6年分以降の贈与に新設された基礎控除額部分を除き、必ず相続税の課税対象となります。

相続時精算課税制度は、平成15年に創設されましたので、20年以上前の贈与でも相続税の課税対象になる可能性があります。

また、暦年課税による贈与と違い、「受贈者が贈与者(特定贈与者)の相続で財産を取得した」かどうかは関係ありません。

相続で財産を取得してもしなくても、贈与された財産は相続税の課税対象となります。

想う相続税理士

相続時精算課税による贈与により財産を取得し贈与税の申告・納付をしても、それは所詮(しょせん)「仮払い」です。

その財産に一体いくらの税金がかかるのかというのは、その特定贈与者が亡くなり、その相続税の申告をするまでは分からないのです。