「圧縮記帳」を適用した固定資産がないか
補助金をもらって固定資産を購入する場合、固定資産を購入するための補助金をもらって、その補助金の全額を固定資産の購入に充てる(補助金は手元に残らない)というのに、補助金が「収入」とみなされて課税されると、法人税が払えない
そこで、補助金の金額と同額の「経費」を計上して、補助金収入への課税を回避するのが「圧縮記帳」
その「経費」はその固定資産の減価償却費。将来の減価償却費を前取りして収入にぶつけて課税を避ける
その分、将来においては(先に計上する分)減価償却費が計上できなくなるので、経費が減って、税金が増える
しかし、購入時の大きな税負担は避けられる
圧縮記帳は相続税には関係ない
圧縮記帳の適用を受けると、減価償却費を先取りする分、帳簿価額が通常より減る
しかし、圧縮記帳を適用したからといって、その固定資産の価値が下がったかというと、そういう訳ではない
あくまでも「課税を繰延べ」るための経理処理
相続税では、財産の実際の価値を計上する必要があるので、圧縮記帳を適用していないものとして、評価額を計算する必要がある
個人事業者の方がお亡くなりになって、その事業用の固定資産を相続財産として評価する場合、または、会社の株主の方がお亡くなりになって、その会社の株式の評価額を計算する場合で、その会社が所有している固定資産も評価する必要がある場合には、帳簿価額や固定資産台帳の金額をそのまま使えない場合がありますので、ご注意を!
想う相続税理士