相続税専門税理士の富山です。
今回は、将来あなたが相続人となった時に相続でモメないよう、生前にやっておいていただきたいことについて、お話します。
財産の内容を把握する
まず、どれくらいの財産があるか分からないと、相続税がどれくらいになるかの見当がつきません(相続税の負担が大きい場合、その負担を回避するための遺産分けを考えざるを得ない、というケースが出てきます)。
また、財産の内容によって、遺産分けの難易度がどれくらいになるかも、前もって把握しておきたいとことです。
例えば、財産はすべて現金だけ、ということであれば、遺産分けはそれほど難しくありませんが、自宅などの不動産(土地や建物)が大部分を占めるような場合、遺産分けが難航する可能性があります。
財産の内容を把握し、実際に遺産分けをするとしたら、どんな感じになるかというのをシミュレーションしておくと、問題となりそうなところが浮かび上がってきます。
また、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産の存在も把握しましょう。
マイナスの財産が大きい場合は、相続放棄なども検討する必要があるからです。
相続人を把握する
また、遺産分けを考えるそもそもの前提として、誰が相続人になるか、ということを正確に押さえておく必要があります。
実際に「誰が相続人になるか」ですが、相続人になる「順番」が決まっています。
その人がいなければ次はこの人、またいなければ次はこの人、という感じです。
また再婚などがあった場合には、想定外の相続人の方がいる可能性もあります。
話を切り出すチャンスを虎視眈々とうかがう
財産などを把握するため、その方がご存命のうちに直接いろいろと聞いておきたいところなのですが、普通に話を切り出すと、「財産が欲しいのか」と思われてしまう可能性がありますので、慎重に話を進めましょう。
「相続が発生した時のリスクを減らすため」だということをきちんと意思表示した上で話すことが重要です。
そのためには、「友達の家でこんなことがあった」とか、「テレビでこんなものを見た」という感じで、相続でモメてしまって困った事例を話してみましょう。
自分のためというワケではなく、「家のため」であるということを強調しましょう。
その方も、問題意識を持っていたかもしれません。
また、問題意識を持っていただくきっかけになるかもしれません。
想う相続税理士
他の相続人の方との連携もお忘れなく。
万が一のことがあった時に、どこに問題点があるかということが事前に分かっていると、相続の進み方が全然違います。