相続税専門税理士の富山です。
今回は、最近、大勢の人の前で話すことになった人に対して、アドバイスする機会があったのですが、その時に伝えたこと、自分で感じたことについて、お話します。
話すのではなく届ける
相手に(会話ではなく、一方的にこちらから)話をする、ということは、
- 自分の口から声(言葉)が出る
- その声(言葉)が相手の耳に届く
ということです。
「話す」ことの目的は、自分が発声することではなく、相手に言葉を伝えることです。
ですから、①の方に意識を集中してはいけません。
「今、自分の声が、相手にきちんと届いているかな?」と、相手側に立って自分の声を聴くような感覚を持つことが重要です。
ゆっくり話す
話す側は、話す内容を前もって考えて、紙に書いてまとめたり、それを何度も読んで話す練習をして、その場に臨みます。
それに対して、話を聞く側は、初めてその話を聞きます。
1対多(大勢)で一方的に話す場合には、お互いの距離も離れるため、通常の会話に比べると、話す側の表情も伝わりにくいため、声のみが頼りです。
本を読むのであれば、自分のペースで文字を追いかけて読むことができますし、分かりづらければ、戻って読むこともできます。
しかし、1対多(大勢)で一方的に話す場合には、話を聞く側が、話が分かりづらかったり、聞き取れなかったとしても、他の人の手前もあり、「今のところをもう一度話してください」とは言ってくれないでしょう。
話す側ができることは、ゆっくり話すことです。
気持ち(感情)を込める
「話す」ことにより言語情報が声で相手に伝わるワケですが、ただ発声すればいいワケではありません。
棒読みだと、相手の耳から入って耳から出ていってしまいます。
その言葉に乗せて、話を聞いている相手に「言語情報」以外の情報を伝えることを考えましょう。
「○○はこんなに素晴らしいんです」と言葉で伝えてもウサン臭いですが、間接的にそう感じてもらえるように話すのです。
「このことを伝えたい」という誠実な想いを込めて話すことが重要です。
群衆に向けて話さない
1対多(大勢)で一方的に話す場合、話す側にとっての相手は確かに「多(大勢)」なのですが、その全員に話そうとすると、自分の意識が散漫になります。
ターゲットを1人決めましょう。
話をちゃんと聞いてくれそうな人を選び、その人に向かって話すのです。
もし、その人があくびをし出したら、瞬時に他のターゲットを探しましょう。
想う相続税理士