【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

贈与税を払いたくないなら安く買えばOK?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、お金を払っても贈与になる場合について、お話します。


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お金を払えば贈与にならない?

お金を払わずに(無償で)財産を取得すると、その財産を贈与により取得したことになります。

贈与により取得した、ということになれば、贈与税が課税されます(その財産が贈与税の非課税財産に該当したり、評価額が非課税枠内に収まったりした場合を除く)。

「じゃあ、ちょっとだけお金を払います。お金を払えば贈与にならないんでしょ?買ったということになるんだから。ちょっとでもお金を払えば贈与税の課税は避けられるでしょ?」と考えるのは大間違いです。

著しくトクした分は贈与

相続税法(一部抜粋)
第7条 贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合
著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合においては、当該財産の譲渡があつた時において、当該財産の譲渡を受けた者が、当該対価と当該譲渡があつた時における当該財産の時価との差額に相当する金額を当該財産を譲渡した者から贈与により取得したものとみなす。

スゴく安く買うということは、その分(お金を払わない分)トクしています。

そのトクした分は「贈与により取得」したモノとみなされます。

ちょっとでもお金を払えば贈与は発生しない、というワケではありません。

複数の財産をまとめて購入した場合の贈与の考え方

財産を1つだけ購入した場合には、その財産の時価と購入金額との差額を見て、贈与が発生しているかどうかを考えます。

では、複数の財産を購入した場合はどうでしょうか?

上記のような取扱いがあるのですから、財産1つ1つに着目し、贈与が発生しているかどうかを確認する必要があるのでしょうか?

このような場合には、その売買全体で見て、著しく低い価額の取引に該当しなければ、贈与は発生しない、と考えてよいことになっています。

相続税法基本通達
7-1 著しく低い価額の判定
法第7条に規定する「著しく低い価額」であるかどうかは、譲渡があった財産が2以上ある場合には、譲渡があった個々の財産ごとに判定するのではなく、財産の譲渡があった時ごとに譲渡があった財産を一括して判定するものとする。

想う相続税理士

時価をいくらと考えればよいのか、「著しく」低い価額はいくらからと考えればよいのか、という問題があります。