思い立ったら遺言
想う相続税理士
それが普通です。
また、財産が多いほど、面倒くさくなります。
そうすると、今、遺言を作らないことを正当化しようとします。
しかし、遺言はいつでも作れる訳ではありません。
高齢になるにつれて、病気にかかるリスクも高くなります。
痴ほう症になったり、脳梗塞になったりすると、自分の意思が表明しづらくなります。
「自分でサインできなくても、公証役場から公証人の先生が来てくれるんでしょ?」と思うかもしれません。
しかし、入院したり、自宅療養になると、将来の相続人を含めた色々な人がお見舞いに来ます。
財産をあげない未来の相続人にバレないように(バレないように作りたい場合ですが)公証人の先生を呼んで遺言を作るのは結構大変です。
思い付いたらすぐに作りましょう!
後から作り直しもできます!
必ず遺言の通りに財産を分けなければいけないの?
遺産分割協議書よりも遺言の方が強い!
遺言でもらうのを放棄すると遺産分割協議書の出番だが、すべての財産が遺産分割協議の対象になるのではない!
相続人間の遺産分割協議により、遺産分けが確定
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その後、遺言が見つかる
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遺産分割協議書と遺言がある場合には、遺言が有効となる
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ただし、遺言による財産の取得(遺贈)については、放棄をすることができる
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遺贈には、包括遺贈と特定遺贈がある
包括遺贈は、「割合」で財産を相続させる遺言の書き方
特定遺贈は、「どの財産は誰」と財産を特定して相続させる遺言の書き方
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包括遺贈の場合には、包括遺贈があったことを知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所に対して、放棄の申し立てをする必要がある
特定遺贈の場合には、このような期限がない。ただし、遺言執行者が「財産をもらうのか、放棄するのか、意思表示して欲しい」場合には、遺贈の承認又は放棄をすべき旨の催告をすることができるので、それがなされたら、その時が放棄の期限
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遺贈の放棄がされた場合には、放棄の効果はお亡くなりになった日までさかのぼる
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そうすると、最初に作った遺産分割協議書が有効になる
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相続人Aさんと相続人Bさんが、全財産を1/2ずつ取得する遺産分割協議書を作成し、その後、見つかった遺産分割協議書の内容が、「全財産をAさんに相続させる」だった場合、Bさんが文句を言っても、全財産取得者Aさんの遺言が有効、ただし、AさんとBさんが揃って遺贈放棄をすれば、再度遺産分割協議が可能
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相続人Aさんと相続人Bさんが、イ土地をAさんが取得し、ロ土地をBさんが取得する遺産分割協議書を作成し、その後、見つかった遺産分割協議書の内容が、「全財産をAさんに相続させる」だった場合、Bさんが文句を言っても、全財産取得者Aさんの遺言が有効、AさんとBさんが揃って遺贈放棄をすると、イ土地については、遺産分割協議書の内容が遺言と一致しているので、イ土地はAさんが取得で決まり
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ただし、次の点に注意
遺言と異なる遺産分割を行う場合には、遺言執行者の同意を得る必要がある
遺言が有効であっても、遺留分の減殺請求により、Bさんが財産を相続できる場合もある