相続税専門税理士の富山です。
今回は、亡くなった方が確定申告書を提出し、その所得税の還付を受ける前に亡くなった場合の、還付金に係る還付加算金の取扱いについて、お話します。
想う相続税理士秘書
相続人が提出する準確定申告の場合は?
こちらの記事では、相続人の方が、亡くなった方の確定申告をした場合の予定納税の注意点や、相続税への影響について、お話しました。
亡くなった方の確定申告の納付や還付と相続税申告の関係この中で、所得税の還付金については、相続税の課税対象となりますが、還付加算金については、相続税の課税対象とはならない、とお話しました。
これは、相続人の方が確定申告をした場合の話であって、亡くなった方が確定申告をしている場合には、取扱いが異なります。
申告書を提出したけれども還付金を受け取る前に亡くなった場合
亡くなった方が確定申告をして還付を受けるはずだったけれども、その還付金を受け取る前に亡くなってしまったという場合、その還付金は代わりに相続人の方が受け取ることになります。
確定申告については、その年が終了したと同時に納税義務が発生していると考えます。
逆に確定申告が還付となる場合には、その年が終了したと同時にその還付金の取得が確定していると考えるワケです。
ということは、その年が終了したと同時に確定していると考える還付金については当然相続税の課税対象になりますが、それに加えて、その確定した還付金という債権に対して発生する還付加算金についても、(亡くなった方の財産から発生している利息のようなものなので)亡くなった日までの部分については、相続税の課税対象になる、ということになります。
亡くなった方が払わなかったことにより延滞税等が発生している場合には?
逆に言うと、亡くなった方が確定申告を既に済ませていて、それにかかる所得税が発生しているにもかかわらず、それを払わずに亡くなった場合、当然その未払となってる所得税は「債務控除」(相続税の計算において、プラスの財産からマイナスの財産を「引いて」正味の財産を計算することを言います)の対象となりますが、延滞税等の附帯税が既に発生している場合には、その亡くなった日までの期間に対応する部分については、債務控除の対象となります。
想う相続税理士
相続人の方が、亡くなった方の確定申告をして、その発生した所得税を払わず延滞税が発生した場合には、それは「相続人の責に帰すべき事由」により発生したモノなので、その延滞税は債務控除の対象とはなりません。
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