そんな簡単にやり直しできない
民法
(遺産の分割の効力)
第九百九条 遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
相続税法基本通達
(分割の意義)
19の2-8(一部抜粋)
当初の分割により共同相続人又は包括受遺者に分属した財産を分割のやり直しとして再配分した場合には、その再配分により取得した財産は、同項に規定する分割により取得したものとはならないのであるから留意する。
民法上、遺産分割協議はやり直せる、ただし、当初の遺産分割協議で長男が土地Aを取得し、それをBさんに譲渡している場合、遺産分割協議のやり直しにより、土地AをBさんから取り上げることはできない
相続税法上、遺産分割協議のやり直しは、相続人間の贈与になる(「土地Cは長男が相続→土地Cは次男が相続」→「土地Cは長男が相続した後、長男が次男に贈与」という取扱い)
瑕疵(欠陥)や錯誤(間違い)があったか
当初の遺産分割協議に問題があった場合(その遺産分割協議が無効である場合)、やり直した遺産分割協議が有効であれば、その内容で相続税申告できる(やり直しは相続人間の贈与とはならない)
「やっぱり納得できない」と後から言い出しても、それだけでは、当初の遺産分割協議は無効にならない
無効でなければ、やり直しができない(やり直しで財産を動かすことができても、それが贈与になってしまう)ので、遺産分割協議は、各相続人が内容をきちんと理解して進めることが重要です。
想う相続税理士