【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

お子さんがいない場合に保険金受取人である配偶者が先に亡くなったらどうなる?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、お子さんがいらっしゃらない場合に、配偶者を受取人にした場合の注意点について、お話します。

夫Aさんが自分に生命保険をかけ(保険料負担者・被保険者=夫Aさん)、その生命保険金の受取人を妻Bさんにした場合(かつ、お二人にお子さんがいらっしゃらない場合)という前提で、お話します。

想う相続税理士秘書


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生命保険金は受取人固有の財産

夫Aさんに相続が発生し、夫Aさんの生命保険金(保険料負担者・被保険者=夫Aさん)を、その受取人である妻Bさんが取得した場合、その生命保険金は遺産分割協議の対象外です。

他に相続人がいても、遺産分割協議をして分けっこする必要はありません。

夫Aさんが、妻Bさんを受取人として、生命保険契約に加入したとします。

夫Aさん・妻Bさんには、お子さんがいらっしゃらないとします。

夫Aさんが亡くなった場合、妻Bさんは、生命保険金を受け取ることになるハズでしたが、夫Aさんよりも先に、妻Bさんが亡くなっていた場合、夫Aさんの生命保険金は誰が受け取ることになるのでしょうか?

夫Aさんには兄Cさん、妻Bさんには妹Dさんがいるとします(どちらの兄弟姉妹もご両親は既に亡くなっているとします)。

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その生命保険契約の約款に特段の定めがない、という前提でお話します。

約款に特段の定めがある場合には、取扱いが異なる場合がありますので、ご注意ください。

保険金受取人が先に亡くなっている場合の取扱いについての規定がある

このような場合の取扱いについて、保険法では次のように定められています。

保険法(一部抜粋)
(保険金受取人の死亡)
第四十六条 保険金受取人が保険事故の発生前に死亡したときは、その相続人の全員が保険金受取人となる。

「保険金受取人(妻Bさん)が保険事故の発生前に死亡したときは、その相続人の全員(弟Aさん・妹Dさん)が保険金受取人となる。」ということになります。

その後、保険事故(弟Aさんの死亡)が発生すると、生命保険金が支払われるのですが、保険金受取人となった弟Aさん・妹Dさんのうち、弟Aさんは亡くなっています(亡くなりました)。

弟Aさんの代わりに、兄Cさんが相続人として、保険金受取人になります。

この場合、兄Cさんと妹Dさんは、生命保険金を半分ずつ受け取ることになります。

「法定相続分で分けっこ」ではありません。

下記の記事をご覧ください。

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死亡保険金の受取人が既に死亡している・相続放棄している場合

保険金受取人が亡くなった場合には保険金受取人を変更する

相続が発生した場合、その相続の発生により生命保険金が支払われる生命保険契約に目が行きがちですが、その亡くなった方が保険金受取人となっている生命保険契約がないか、確認しましょう。

そして、上記のような事態を避けたい場合には、保険金受取人を変更しましょう。

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その亡くなった方が保険料負担者(通常は保険契約者)となっている生命保険契約の有無についても確認しましょう。

その亡くなった方が保険金受取人となっている生命保険契約と同様、生命保険金は支払われませんが、その生命保険契約の財産価値が、「生命保険契約に関する権利」として相続税の課税対象になりますので、ご注意を。