【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

貸付事業用宅地等に該当するための「相当の対価」とは?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、小規模宅地等の特例のうち貸付事業用宅地等の要件となる「相当の対価」について、お話します。


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「準事業」は「相当の対価」を得ていることが要件

租税特別措置法施行令の小規模宅地等の特例に関する条文には、「相当の対価」という言葉が出てきます。

租税特別措置法施行令(一部抜粋加工)
第40条の2 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例
法第69条の4第1項に規定する事業に準ずるものとして政令で定めるものは、事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行うもの(第7項及び第19項において「準事業」という。)とする。

「準事業」とは「貸付事業」の一形態

この「法第69条の4第1項に規定する事業に準ずるもの」とは、下記の部分です。

租税特別措置法(一部抜粋加工)
第69条の4 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例
個人が相続又は遺贈により取得した財産のうちに、当該相続の開始の直前において、当該相続若しくは遺贈に係る被相続人又は当該被相続人と生計を一にしていた当該被相続人の親族(第3項において「被相続人等」という。)の事業事業に準ずるものとして政令で定めるものを含む。同項において同じ。)の用又は居住の用

小規模宅地等の特例は、相続税の計算において、一定の「居住用」または「事業用」の宅地等について、その評価額を80%または50%減額して申告することができる制度なのですが、この「事業用」「事業」のうち「貸付事業」については、「準事業」「特定貸付事業」に分かれます。

租税特別措置法施行令(一部抜粋加工)
第40条の2 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例
7 法第69条の4第3項第1号(特定事業用宅地等・対象にならないモノ:「事業(不動産貸付業その他政令で定めるものを除く)」)及び第4号(貸付事業用宅地等)に規定する政令で定める事業は、駐車場業、自転車駐車場業及び準事業とする。
19 法第69条の4第3項第4号(貸付事業用宅地等・対象になるモノ:「事業(不動産貸付業その他政令で定めるものに限る」)に規定する政令で定める貸付事業は、同号に規定する貸付事業のうち準事業以外のもの(第21項において「特定貸付事業」という。)とする。

「事業的規模」がなくても「相当の地代」を得ていれば可能性有

つまり、貸付事業のうち、事業と称するに至らない不動産の貸付け等でも、「相当の対価」を得て継続的に行われていれば、「準事業」として貸付事業用宅地等に該当する可能性がある、ということです。

「特定貸付事業」は、「事業と称するに至らない」(規模の)準事業以外の貸付事業なので、事業と称することができる、つまり「事業的規模の貸付事業」ということになります。

想う相続税理士

上記の条文にあるとおり、「特定事業用宅地等」については、準事業ではダメです。