相続税抑えるためのタワーマンション節税って時価と評価の差が大きいから効果高い、しかも資産価値高いですーで注目浴びて流行ってた(る?)
効果はあるからいいのだけど、"不動産投資"だからね、そこは忘れないで🙇♂️
"賃貸マーケットで選ばれる"不動産なのかが節税の程度より大切なポイント🙋♂️
— 松尾企晴 | 不動産相続コンサル🙆♂️ (@kiharumatsuo) February 11, 2021
相続税専門税理士の富山です。
今回は、相続税の節税対策について、お話します。
その前にまず「相続税対策」を整理すると・・・
相続税の節税対策の話をする前に、「相続税対策」と言われるものについて、まず整理したいと思います。
「相続税対策」は、次の3つに分かれます。
- 遺産分割対策
- 納税資金対策
- 相続税の節税対策
遺産分割対策
「相続対策」というのは、この「遺産分割対策」のことであると捉えて良いと思います。
「相続税」対策ではなく、「相続」対策です。
「相続対策」とは、相続税が出る・出ないに関係なく、財産を引き継ぐ(「相続」する)ことがうまくいくようにする対策、ということです。
遺産分割協議の話し合いがうまくまとまるように遺産分けの内容を工夫することも相続対策ですが、相続が発生する前に遺言を作成したり、生前贈与をしておくということも、この相続対策に含まれます。
ただし、遺言や生前贈与は、相続の前に実行できるという面でメリットがあるのですが、相続人の心情に配慮したものでない場合には、逆に遺産分けの時にモメる要因となる場合がありますので、注意が必要です。
納税資金対策
この後に説明する「相続税の節税対策」により、相続税を下げることができたとしても、実際にその相続税が払えなければ困ることになります。
相続税が払えるかどうかというのは、「金額的な問題」と「財源の問題」の2つの側面があります。
「金額的な問題」に対する対策は、この後の「相続税の節税対策」の方の話になります。
「財源の問題」に対する対策が、この「納税資金対策」なのですが、相続税は相続した財産の中から払う(相続財産を財源とする)というのが基本的なスタンスになります。
自己資金で相続税を納めていただいても構いませんし、銀行から借入を行っていただいても結構です。
また、「延納」や「物納」という制度を利用して分割払いで相続税を納めたり、相続した財産で相続税を払うという選択肢もあります。
ただし、これらの手法は困難な場合もありますので、相続した財産の中から相続税を払うという基本形で行けるような遺産分けを行う、ということをまず第一に考えましょう。
相続税の節税対策
相続税を節税するという場合には、大きく2つのパターンが考えられます(「養子縁組」などの話はここでは割愛します)。
1つ目は、相続税の対象となる「財産を減らす」こと、2つ目は、相続税の対象となる「財産の評価を下げる」ことです。
「財産を減らす」というと、「遺産分割対策」に出てきた「生前贈与」も、この「財産を減らす」対策になります。
一時払終身保険に加入することによって、現預金という課税財産を生命保険金という非課税財産に形を変えることも、この「財産を減らす」(課税財産を減らす)対策であると言えます。
小規模宅地等の特例の適用を受けて、自宅敷地などの評価を下げることは、「財産の評価を下げる」対策です。
「相続税の節税対策」で気をつけるべきこと
1,000万円の預貯金があったら、その1,000万円に対して相続税が課税されますが、一時払終身保険に加入して、それが1,000万円の生命保険金になると(1,000万円の生命保険「料」を「支払って」、相続の発生により生命保険「金」1,000万円を「受け取る」)、生命保険金の非課税枠が1,000万円あれば、相続税はかからない、ということになります。
これは、相続の発生により相続人の手元に来るお金が同じ1,000万円でも、その1,000万円に相続税がかからなくなるワケですから、非常に有効な方法であると言えます(資金繰りなどの都合により、生前に解約してしまうと元本割れのリスクがありますが)。
同じように見える(他の財産に形を変える)「相続税の節税対策」でも、本当にそれが「相続税の節税対策」と言えるのか、検討すべき場合があるように思えます。
「価値のない財産に形を変えた場合」には、それは節税対策と言えるのか?ということです。
1,000万円の預貯金が300万円の財産に形を変えたとすれば、相続税の課税対象が700万円分だけ減りますから、そこには「相続税が安くなる」という効果があります。
しかし、700万円分の財産が本当に減ってしまったら、700万円の損失を被るということです。
700万円分の財産に対する相続税がかからなくなることにより、トクしたように見えますが、本当にトクなのでしょうか?
相続税の実効税率が10%の相続では、対策をせずに1,000万円の預貯金をそのままにした場合、減らせたはずの財産700万円の10%、70万円を損したように見えます。
しかし、700万円分の財産が本当に減ったら、630万円の損失(財産の目減り700万円-安くなる相続税70万円)です。
70万円損するのに比べて9倍損します。
想う相続税理士
しかし、それによって本当に財産が減ってしまうのであれば、何もやらない方がトクです。