相続税専門税理士の富山です。
今回は、相続税申告の際の財産評価における不動産の持分について、お話します。
不動産の持分は登記事項証明書に記載されている
土地や建物は、基本的には「登記」されています。
その登記の内容は、登記事項証明書を取得することにより確認することができます。
登記事項証明書には、「権利部(甲区)(所有権に関する事項)」という欄があり、ここに所有者が記載されています。
亡くなった方がご自分で100%所有していた不動産なのか、それとも誰か親戚などと共有で所有していた不動産なのかは、この欄を見れば分かります。
建物については登記されていない場合がある
固定資産の評価証明書や固定資産税の課税明細書を見ると、同じ建物でも「家屋番号」というものがあるものとないものがあったりします。
この家屋番号があるものは、登記されている建物です。
逆に、家屋番号がないものは、登記されていないため、先ほどの登記事項証明書を取得することができません。
登記されていなくても、固定資産の評価証明書や名寄帳を取得したり、固定資産税の課税明細書を確認すれば、持分が分かる場合もありますが、共有の場合には「他何名」という感じで書いてあって、その共有割合が分からない場合があります。
このような場合、市区町村役場が「家屋補充課税台帳」というものを備え付けており、そこに所有者が登録されていますので、市区町村役場で持分を確認することになります。
想う相続税理士秘書
登記されている所有者が正しくない場合もある
所有者であるということは、普通に考えれば、その不動産の購入資金を自分の財布から出している、ということになります。
しかし、お金を出さないで所有者になっている場合もあります。
昔の話ですが、夫婦共有のご自宅として登記されているけれども、実際にお金を出したのは亡くなった旦那さんだけだった、ということで、相続税の税務調査で指摘された経験があります(お客様に確認したらその通りでした)。
税務署は、相続があった場合、亡くなった方やその親族の過去のお金の動きをチェックします。
また、不動産の登記に関する情報は、法務局から税務署に伝わっているため、その情報と預金の動きを付き合わせた際に、共有で購入したのに旦那さんの方の預金しか動いていない、それも購入代金が丸々旦那さんの預金から振り込まれている、なんていうことがあれば、税務署はその点を追及してくる、ということです。
想う相続税理士