相続税専門税理士の富山です。
今回は、「借地人側」の「定期借地権」の評価ではなく、「地主側」の「定期借地権の目的となっている宅地」の評価について、お話します。
財産評価基本通達に規定はあるけれど・・・
財産評価基本通達
25 貸宅地の評価(一部抜粋)
(2) 定期借地権等の目的となっている宅地の価額は、原則として、その宅地の自用地としての価額から、27-2《定期借地権等の評価》の定めにより評価したその定期借地権等の価額を控除した金額によって評価する。
ただし、同項の定めにより評価した定期借地権等の価額が、その宅地の自用地としての価額に次に掲げる定期借地権等の残存期間に応じる割合を乗じて計算した金額を下回る場合には、その宅地の自用地としての価額からその価額に次に掲げる割合を乗じて計算した金額を控除した金額によって評価する。
イ 残存期間が5年以下のもの 100分の5
ロ 残存期間が5年を超え10年以下のもの 100分の10
ハ 残存期間が10年を超え15年以下のもの 100分の15
ニ 残存期間が15年を超えるもの 100分の20
想う相続税理士
財産評価基本通達には、このように書かれていますが、実は、常にこのように評価するワケではありません。
「当分の間」の取り扱いがある!
国税庁HPタックスアンサー
No.4612 一般定期借地権の目的となっている宅地の評価(一部抜粋加工)
一般定期借地権の目的となっている宅地の評価については、課税上弊害がない限り、財産評価基本通達の定めにかかわらず、当分の間、次のとおり評価することとされています。
なお、その他の定期借地権等の目的となっている宅地の評価については、コード4613「貸宅地の評価」を参照してください。
これらの目的となっている宅地については、最初の「財産評価基本通達 25 貸宅地の評価」で評価します。
想う相続税理士秘書
=①-(①×(1-②×(③/④))
①:相続開始時点のその宅地の自用地としての相続税評価額
②:底地割合(55%~75%)(下記※1)
③:相続開始時点の一般定期借地権の残存期間年数に応ずる基準年利率による複利年金現価率
④:一般定期借地権の設定期間年数に応ずる基準年利率による複利年金現価率
・路線価図のC地域(借地権割合が70%の地域)→55%
・路線価図のD地域(借地権割合が60%の地域)→60%
・路線価図のE地域(借地権割合が50%の地域)→65%
・路線価図のF地域(借地権割合が40%の地域)→70%
・路線価図のG地域(借地権割合が30%の地域)→75%
想う相続税理士