相続税専門税理士の富山です。
今回は、土地の評価単位について、お話します。
土地は原則として地目別に評価する
財産評価基本通達(一部抜粋)
7 土地の評価上の区分
土地の価額は、次に掲げる地目の別に評価する。
(1) 宅地
(2) 田
(3) 畑
(4) 山林
(5) 原野
(6) 牧場
(7) 池沼
(8) 削除
(9) 鉱泉地
(10) 雑種地
まず、原則として、土地は「宅地」や「田」などの土地の地目別に評価する
隣り合った宅地と宅地は一緒に評価する(1つの評価単位になる)可能性があるが、隣り合った宅地と田は一緒に評価しない(別の評価単位になる)、ということ
しかし、これは「原則」であり、「例外」もある
一体利用の場合には例外的に主たる地目で1評価単位扱い
財産評価基本通達(一部抜粋)
7 土地の評価上の区分
ただし、一体として利用されている一団の土地が2以上の地目からなる場合には、その一団の土地は、そのうちの主たる地目からなるものとして、その一団の土地ごとに評価するものとする。
国税庁HP・質疑応答事例(一部抜粋)
地目の異なる土地が一体として利用されている場合の評価
A土地及びB土地の一団の土地がゴルフ練習場として一体利用されている場合には、その一部に建物があっても建物敷地以外の目的による土地(雑種地)の利用を主としていると認められることから、その全体が雑種地からなるものとして雑種地の評価方法に準じて評価することになります。
ゴルフ練習場の地目を考えると、打ちっぱなしの芝生の部分(ボールが飛ぶ部分)は「雑種地」となり、受付やトイレ、レストラン等が入っているクラブハウス(建物)の敷地は「宅地」となる
原則に従って評価単位を考えると、芝生部分とクラブハウスの敷地は分けて評価することになる
しかし、球を打ちに来るお客さんは、芝生部分にだけ来るワケでもなく、クラブハウスだけに来るワケでもない
ゴルフ練習場は、打ちっぱなしの芝生部分だけでは成り立たず、受付やトイレ、レストラン等も必要で、それが一体で使われているワケだから、一体で評価しないと実態と異なる評価になってしまう
このような場合(異なる地目から構成され一体利用されている一団の土地の場合)には、全ての土地が主たる地目であると考え、その一団の土地を(1つの評価単位として)一緒に評価する
想う相続税理士