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相続税専門税理士㊙カード31【老人ホームと小規模宅地等の特例】


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老人ホームに入居していた場合でも特例適用がダメな場合がある

老人ホームは生活の拠点だから引っ越しと同じ

相続税の計算においては、一定の居住用または事業用の宅地等について、その評価額を80%または50%減額して申告することができる「小規模宅地等の特例」という制度がある

親族の方の生活基盤になり得る宅地等については、相続税の課税を軽減しようという趣旨によるモノ

居住用の宅地等は、生活の拠点であり、まさに生活基盤になり得る宅地等と言えるため、一定の要件に該当した場合、特定居住用宅地等として、330㎡まで80%減額して申告することができる

亡くなった方がマイホーム(ご自宅)に住んでいて、その後、老人ホームに入所した場合、生活の拠点がご自宅から老人ホームに移行したと考えられる(その老人ホームだけで、通常の日常生活を送ることができるから)

健康上の問題等がなく、単に老人ホームに入所した場合、ご自宅からアパートに引っ越したのと同じなので、この場合には、ご自宅は生活の拠点ではなくなるため、特定居住用宅地等に該当しない

ご自宅の敷地の評価額を減額して申告することはできない

ご自宅に住みたくても住めない場合もある

上記の老人ホームが、特別養護老人ホームの場合には、話は変わる

自宅に住みたくても住めない場合には、一定の配慮がされている

租税特別措置法(一部抜粋加工)
第69条の4 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例
居住の用(居住の用に供することができない事由として政令で定める事由により相続の開始の直前において当該被相続人の居住の用に供されていなかつた場合における当該事由により居住の用に供されなくなる直前の当該被相続人の居住の用を含む。)に供されていた宅地等

(政令で定める)一定の事由によりご自宅に住めない場合には、生活の拠点が移行していてもOK

特別養護老人ホームは、要介護高齢者の方の入浴や排泄、食事等の介護その他日常生活のお世話や、機能訓練や健康管理、療養上のお世話をする生活施設である

つまり、ご自宅での適切な介護が難しい方のための生活施設である

その生活は、治療のため病院に入院しているのと同様の状態とも言える(入院の場合には、病院に生活の拠点が移行したとは考えないので、ご自宅敷地が特定居住用宅地等に該当し得る)

相続税の申告書の添付書類が増える

上記のようなケースで、相続税申告において特定居住用宅地等として小規模宅地等の特例の適用を受ける場合には、通常の書類に加えて、下記の書類の添付が必要

被相続人の戸籍の附票の写し(相続開始の日以後に作成されたもの)

介護保険の被保険者証の写しや障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第22条第8項に規定する障害福祉サービス受給者証の写しなど、被相続人が介護保険法第19条第1項に規定する要介護認定、同条第2項に規定する要支援認定を受けていたこと若しくは介護保険法施行規則第140条の62の4第2号に該当していたこと又は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第21条第1項に規定する障害支援区分の認定を受けていたことを明らかにする書類

施設への入所時における契約書の写しなど、被相続人が相続開始の直前において入居又は入所していた住居又は施設の名称及び所在地並びにその住居又は施設が一定の施設等に該当することを明らかにする書類

いつでもまた住めるようにご自宅の維持管理をしていなければならない、という要件は、今はない