相続税専門税理士の富山です。
今回は、亡くなった方が「非線引都市計画区域」や「都市計画区域外」に土地をお持ちだった場合に、相続税申告の際、その土地に対して、地積規模の大きな宅地の評価を適用できるか、ということについて、お話します。
非線引都市計画区域(区域区分が定められていない都市計画区域)にある土地
通常、都市計画区域を「市街化区域」と「市街化調整区域」とに区分します(線引きします)。
この区分(区域区分)がされていない(線引きされていない=非線引)都市計画区域を、「区域区分が定められていない都市計画区域」(非線引都市計画区域)と言います。
非線引都市計画区域でも、都道府県知事等の許可を受ければ、開発行為が可能です。
都市計画法(一部抜粋加工)
(開発行為の許可)
第二十九条 都市計画区域又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市又は同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「指定都市等」という。)の区域内にあつては、当該指定都市等の長。以下この節において同じ。)の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる開発行為については、この限りでない。
一 市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域又は準都市計画区域内において行う開発行為で、その規模が、それぞれの区域の区分に応じて政令で定める規模未満であるもの
したがって、要件を満たせば、地積規模の大きな宅地の評価は適用可能です。
想う相続税理士秘書
都市計画区域外にある土地
地積規模の大きな宅地の評価に関する条文を見てみます。
財産評価基本通達(一部抜粋加工)
20-2 地積規模の大きな宅地の評価
地積規模の大きな宅地(三大都市圏においては500㎡以上の地積の宅地、それ以外の地域においては1,000㎡以上の地積の宅地をいい、次の(1)から(3)までのいずれかに該当するものを除く。以下本項において「地積規模の大きな宅地」という。)で14-2《地区》の定めにより普通商業・併用住宅地区及び普通住宅地区として定められた地域に所在するものの価額は、15《奥行価格補正》から前項までの定めにより計算した価額に、その宅地の地積の規模に応じ、次の算式により求めた規模格差補正率を乗じて計算した価額によって評価する。
(1) 市街化調整区域(都市計画法第34条第10号又は第11号の規定に基づき宅地分譲に係る同法第4条《定義》第12項に規定する開発行為を行うことができる区域を除く。)に所在する宅地
(2) 都市計画法第8条《地域地区》第1項第1号に規定する工業専用地域に所在する宅地
(3) 容積率(建築基準法(昭和25年法律第201号)第52条《容積率》第1項に規定する建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合をいう。)が10分の40(東京都の特別区(地方自治法(昭和22年法律第67号)第281条《特別区》第1項に規定する特別区をいう。)においては10分の30)以上の地域に所在する宅地
エリア(その土地がある場所)として、適用対象から除外されている(対象外となっている)のが、
- 市街化調整区域
- 都市計画法に規定する工業専用地域
これらは、都市計画区域内の話ですので、都市計画区域外の土地については、要件を満たせば、地積規模の大きな宅地の評価は適用可能です。
想う相続税理士