【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

結婚・子育て資金の一括非課税贈与で相続税申告をする場合の注意点

相続税専門税理士の富山です。

今回は、結婚・子育て資金の一括非課税贈与の管理残額が相続税の課税対象となる場合の注意点について、お話します。


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贈与者が死亡した場合には相続税の課税対象

出典:TAINS(相続事例大阪局R050000)(一部抜粋加工)
誤りやすい事例(相続税関係 令和5年版) 大阪国税局資産課税課
(結婚・子育て資金の非課税の特例を受けていた場合の相続税額の加算)
《参考》拠出時期による相続課税の比較(イメージ)
・結婚・子育て資金の非課税の特例

拠出時期 ~令3.3.31 令3.4.1~
相続財産への加算 加算あり 加算あり
相続税額の2割加算 適用なし 適用あり

上記のとおり、結婚・子育て資金管理契約の期間中に贈与者が死亡し、その死亡日において管理残額があるときは、その管理残額は、その贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなされます。

ただし、受贈者が贈与者の子以外(孫など)の一定の方である場合における「相続税額の2割加算(相続税の2割増し課税)」については、令和3年3月31日以後のみの適用となります。

相続開始前3年以内の生前贈与加算はどうなる?

出典:TAINS(相続事例大阪局R050000)(一部抜粋加工)
誤りやすい事例(相続税関係 令和5年版) 大阪国税局資産課税課
(結婚・子育て資金の非課税の特例を受けていた場合の3年以内の贈与加算)
67 孫は、令和3年に祖父から1,500万円の贈与を受け、そのうち1,000万円については結婚・子育て資金の非課税制度の適用を受け、残り500万円については贈与税の申告をした(相続時精算課税制度は選択していない。)。
令和5年に祖父が死亡し、その時点において、結婚・子育て資金口座には子育て資金支出額700万円を控除した300万円の管理残額があったため、相続税の課税価格の計算に当たり、当該管理残額300万円と、相続開始前3年以内に祖父から暦年贈与に係る贈与によって取得した500万円を加算して相続税の申告を行った。
なお、孫は祖父から相続又は遺贈により管理残額以外の財産を取得していない。

贈与者の死亡により、管理残額が相続税の課税対象となることから、相続税の申告をすることになる場合、相続開始前3年以内に贈与により取得した財産(上記の場合500万円)は、生前贈与加算の対象になるのでしょうか?

租税特別措置法(一部抜粋加工)
第70条の2の3 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税
12 結婚・子育て資金管理契約の終了の日までの間に、当該贈与者が死亡した場合には、次に定めるところによる。
四 当該贈与者から相続又は遺贈により管理残額以外の財産を取得しなかつた受贈者に係る相続税法第19条の規定の適用については、同条第1項中「遺贈」とあるのは、「遺贈(租税特別措置法第70条の2の3第12項第2号(直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税)の規定によりみなされる相続又は遺贈を除く。)」とする。

上記にあるとおり、管理残額以外に相続で取得した財産がない場合には、生前贈与加算の対象となる「相続又は遺贈により財産を取得した者」からは除かれる、つまり、生前贈与加算は不要(管理残額のみが相続税の課税対象)ということになります。

67 結婚・子育て資金管理契約の期間中に贈与者が死亡し、その死亡日において管理残額があるときは、その管理残額は、その贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなされる(措法70の2の3⑩二)。
しかし、贈与者から相続又は遺贈により管理残額以外の財産を取得しなかった受贈者については、相続開始前3年以内に贈与があった場合の相続税の課税価格への加算の規定(相法19)の適用はない(措法70の2の3⑫四)。
そのため、事例の場合、贈与税の申告をした500万円については、相続税の課税価格に算入する必要はない。
※教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税の規定により、管理残額を相続又は遺贈により取得したものとみなされる場合で、管理残額以外の財産を取得しなかった受贈者も同様となる(措法70条の2の2⑩四)。

想う相続税理士

上記の孫が、(500万円ではなく)相続開始前3年以内に暦年課税による贈与により毎年110万円の贈与を亡くなった贈与者から受けていた場合(他に贈与により取得した財産は無いものと仮定)、生前贈与加算の対象とならないため、合計330万円が非課税(相続税も非課税・贈与税も非課税)となります。