ちょうどいい金額の財産なんて滅多にない
遺産分割の話し合いの際、完璧に平等に分けようとしても、分けられない場合がほとんどです。
例えば、相続人が子供2人で、相続財産が、まったく同じ形・面積・単価の土地2ヶ所だけ、なんて場合だったら、1ヶ所ずつ相続すれば平等に分けられますよね。
でも、そんなケースはまずないでしょう。
逆に、相続財産がほぼ土地1ヶ所のみで、「1個しかない財産をどうやって2人で分ければいいの?」というパターンの方が多いのではないでしょうか?
平等に分けなくてもOK
ちなみに、遺産分割は、絶対に平等に分けなければいけない、という訳ではありません。
長男が全財産を相続し、次男が財産を相続しない、ということで、2人とも納得すれば、長男は全財産を相続することができます。
「財産を相続しないこと=相続放棄」ではない
「長男が全財産を相続し、次男が財産を相続しない」という内容の遺産分割協議書を作成し、2人の署名押印があれば、次男は財産を相続しない(できない)ということになります。
次男が、長男に全財産を相続させたい、と希望すれば、そのような遺産分割協議書を作成すればよいのです。
長男に全財産を相続させるためには、次男は相続放棄をしなければならない、という訳ではありません。
共有はできるだけ避ける
このような場合、その1ヶ所の土地を、1/2ずつの共有で相続しよう、と考えるかもしれません。
しかし、それはできるだけ避けるべきです。
持ち主が2人の土地は、売ったり貸したりしようとするとき、どちらか1人が反対すると、それができないからです。
代償分割金で調整する
相続財産が土地1ヶ所の場合、例えば長男がその土地を相続すると、次男が相続する財産がなくなってしまいます。
この場合、長男が次男に「代償分割金」を支払うことにより、遺産分けのアンバランスを調整することができます。
この代償分割金の支払は、相続の一環で行うものですので、長男から次男への贈与にはなりません。
長男の相続財産=土地△代償分割金
次男の相続財産=代償分割金
となり、次男がもらった代償分割金には相続税が課税され、長男については、土地の相続税評価額から次男に支払った代償分割金の金額を控除した金額が、相続財産の金額となります。
ただし、次のような場合には、このような取扱いになりませんので、ご注意を。
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