相続税で誤解しやすい4つの知識をアップデート!特に申告の必要・不要の判断基準に注意(マネーの達人)#Yahooニュースhttps://t.co/AdQU7yEoOF
— 想う相続税理士 秘書 (@japantaxprosec) August 15, 2022
相続税の申告不要は全財産で判定する!
財産の金額が相続税の非課税枠(「遺産に係る基礎控除額」、上記の記事では「相続税の基礎控除額」)以下であれば、相続税はかからないのですが、この「財産の金額」は「全財産の金額」です。
財産を取得した方が、自分が取得した財産の金額と、この相続税の非課税枠を比較して、相続税がかかるかどうかを判定するワケではありません。
この相続税の非課税枠は、
3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
で計算されます。
お母様が亡くなって、法定相続人が長女・次女の2人の場合、
3,000万円+600万円×2人=4,200万円
が相続税の非課税枠の金額になります。
この時に、次女が「『600万円×2人』ということは、1人600万円までは非課税なのね。私は500万円しか財産を相続していないから、私には相続税はかからないわ。」と勘違いしてしまうケースがあるようです。
前述したように、相続税がかかるかどうかは、全財産の金額で判定します。
お母様の全体の相続財産の金額が5,000万円であれば、4,200万円を超えるので、次女は相続税を納めることになります。
逆に、次女の方が2,000万円の財産を相続しても、そのお母様の全体の相続財産の金額が3,000万円であれば、4,200万円以下なので、相続税はかからない、ということです。
相続税の2大減税特例は取得者の要件がある!
「小規模宅地等の特例」と「配偶者の税額軽減」(私は「相続税の2大減税特例」と言っています)には、取得者の要件があります。
配偶者の税額軽減については、当然、配偶者が取得することが要件で、その取得財産について、最低でも1億6,000万円まで相続税が非課税となります。
小規模宅地等の特例についても、「配偶者が取得した場合」とか「同居親族が取得した場合」とか「家なき子が取得した場合」など、取得者の要件があります。
遺産分割協議書や遺言のコピーと一緒に相続税の申告書が税務署に提出されないことには、税務署側でも本当にその要件に該当する方が取得したかどうかが分かりません。
そんな状態で、メチャクチャ節税効果のある相続税の2大減税特例を認めるワケにはいかないので、特例の適用を受けるためには、一定の書類を添付した申告が要件となっているのです。
無申告と過少申告では大きな違いがある
相続税の申告に税理士は必要?(基本編)上記の記事でも書きましたが、相続税の申告は限られた方が経験するモノです。
一生のうちに何度も経験するモノではありません。
申告書の作成や提出を税理士に依頼するにしても、そのベースとなる相続財産の把握は、基本的には相続人の方などに主体となってやっていただく必要があります。
想う相続税理士秘書
とはいえ、税務調査で相続人の方も知らなかったような財産の存在を指摘される場合もあります。
一生懸命調べても、財産のもれが生じることはあるのです。
絶対に相続税がかからない、と言い切れる場合以外は、相続税がゼロでも相続税の申告をしておくことをおススメします。
相続税の非課税枠が4,800万円の場合で、相続財産を4,500万円・相続税ゼロで相続税の申告書を提出したとします。
その後、申告していない500万円の相続財産が見つかった場合には、500万円を追加した修正申告をすることになります。
それに対して、無申告だった場合には、5,000万円の期限後申告をすることになります。
税務調査で指摘して、「新たに500万円の申告をさせる」のと「新たに5,000万円の申告をさせる」ケース、どちらが税務調査官にとって魅力的か分かりますよね?
申告してあるかどうかで、税務調査官のその相続に対する見方も変わる、と言っても過言ではないハズです。
物納には大原則がある
上記の記事でも「現金での納付が困難と判断された場合に限られ」と書かれていますが、物納はお金がないことが要件です。
相続財産が土地や建物ばっかりだったとしても、相続人の方がお金を持っている場合には認められません。
具体的には、「金銭納付を困難とする理由書」という書類を埋めて、困難であることを証明する必要があります。
想う相続税理士