相続税専門税理士の富山です。
今回は、相続人の中に未成年者の方がいる場合の遺産分割協議及び相続税申告について、お話します。
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未成年者は遺産分割協議に参加できない
遺言がない場合、原則として、相続人間の遺産分割協議により遺産分けを決めることになります。
もし、未成年者である相続人の方がいる場合、その方は遺産分割協議に参加することができません。
遺産分割協議は「法律行為」であり、未成年者は法律行為をすることができないからです。
未成年者のピンチヒッター(「代理人」)が遺産分割協議に登場する
遺産分割協議は、相続人全員の同意がなければ成立しません。
未成年者が遺産分割協議に参加できないのであれば、代わりに参加する方(「代理人」)が必要となります。
その未成年者の親権者(親御さんなど)が「法定代理人」になれることもありますが、その親権者の方が共同相続人の場合にはなれません。
例えば、夫が亡くなり、相続人が妻と長男(未成年者)の2人である場合、妻が長男の法定代理人になれるかというと、なれません。
妻は長男と同じく、夫の相続人だからです。
このような場合には、「特別代理人」を家庭裁判所に選任してもらいます。
遺産分割協議書に実印を押印するのは未成年者?特別代理人?
特別代理人の方が遺産分割協議に参加する場合、遺産分割協議書に実印を押印するのは特別代理人です。
したがって、相続税の申告書に印鑑登録証明書を添付する場合には、特別代理人の印鑑登録証明書を添付します。
相続税の申告書に署名するのは未成年者?特別代理人?
相続税の申告を紙申告で行い、その申告書に署名する場合には、未成年者がその署名をすることができます。
申告は「法律行為」ではないからです(「通知行為」であるといわれています)。
国税庁HP(一部抜粋加工)
納税申告について、「この申告の主要な内容をなすものは課税標準と税額であるが、その課税標準と税額が租税法の規定により、すでに客観的租税として定まっている限り、納税者が申告するということは、これらの基礎となる要件事実を納税者が確認し、定められた方法で数額を確定してそれを政府に通知するにすぎない性質のものと考えられるから、これを一種の通知行為と解することが適当であろう。」とされる
相続税の申告書に署名できない場合はどうする?
未成年者が申告書に署名することができる、といっても、例えば、未成年者が0歳児の赤ちゃんだったら、まだ意思能力が無いため、申告書に署名することができません。
このような場合には、法定代理人である親権者(親御さんなど)が署名することができます。
想う相続税理士
その場合には、上記のような「紙の申告書に署名するのは誰?」というような話は出てきません。