誰でも相続税を安くしようとする
相続税の対策と言えば、
遺産分け対策・・・・・・いかにモメずに財産を分けるか
納税対策・・・・・・どうやって相続税を納めるか
の3つが挙げられます。
皆さんどれから着手するかと言うと、相続税対策です。
「モメるかどうかは分からないし、やって失敗したら大変だから、遺産分け対策は後。相続税が安くなれば、目に見えてトクだし、それにより納税が楽になるかも」という思考です。
財産の価値を測定するのは難しい!
相続税は、「誰が相続するか」によって安くなる側面もあるため、取得者を誰にするかも重要なポイントなのですが、生前の相続税対策においては、誰が相続するかとは別に、財産の評価額自体を下げることも検討されます。
具体的には、不動産の購入です。
手許の現預金という財産を、土地・建物という不動産とチェンジするのです。
土地や建物は、実際にいくらの価値があるのか、本当に正確に出そうとするとメチャクチャ難しいと思いませんか?
もちろん、相続税の計算上、土地や建物の評価には一定の基準(計算式)があるのですが、正確には出せないので、ある程度安く評価されるようになっているのです。
ですから、1,000万円で購入した土地の相続税評価額は、1,000万円よりも下がります。
現金で1,000万円持っているよりも、土地を持っていた方が、相続税が安くなるのです。
相続税が安くなればみんなハッピーか?
手許にある現預金で土地や建物を買いまくれば、相続税は安くなります。
でも、それで相続人が喜ぶかは別の話です。
誰がどの土地を相続すればベストなのか?
どうやったら公平に分けられるのか(相続税の計算で使う相続税評価額は、財産の価値を表したものではありません)?
遺産分けは難しくなります。
現預金が全くないけど、どうやって相続税を納めるの?
納税が大変です。
手持ち資金で納税できたとしても、売るとき(現金化)には、所得税やその他の経費がかかります。
財産が全部現預金だったら、このような悩みはありません。
分けるのも簡単、価値がいくらなのかも考える必要なし(金額が価値そのもの)、そのまま納税にも使えます。
3つとも全部大事
とはいえ、相続税を安くする努力も大切です。
多額の相続税を払うのは、精神的にもキツいからです。
相続税対策・遺産分け対策・納税対策を一緒に検討していくことが重要です。
1つの対策に傾倒せず、折り合いを付けながら、最もベストな方法を探るようにしましょう。