【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

同居親族・別居親族に対する住宅取得等資金の非課税贈与の注意点

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続税対策としての住宅取得等資金の非課税贈与について、お話します。


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生前贈与は相続税対策の王道

生前贈与をすれば、相続時点の財産が減りますから、相続財産の課税対象を減らすことができます。

しかし、子が父母から贈与を受けた後、父母の相続が3年(税制改正により最長7年に延長されました)以内に発生し、その相続で財産を取得した場合、原則として、その生前贈与財産についても相続税が課税されます(「生前贈与加算」の対象になります)。

つまり、生前贈与をしても相続税対策にならないのです。

生前贈与加算の必要がない有利な贈与

「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」制度というモノがあります。

父母・祖父母などの直系尊属から、住宅の新築・取得または増改築等のための資金の贈与を受けた場合に、一定額までの贈与につき贈与税が非課税になる制度です。

この住宅取得等資金の非課税贈与については、「生前贈与加算の対象外」となっています。

贈与後すぐに父母が亡くなった場合でも、相続税の課税対象にならない有利な制度なのです。

同居親族が小規模宅地等の特例の適用を受けられなくなる

住宅取得等資金の非課税贈与により、同居していたお子さんに住宅取得等資金の非課税贈与をした場合、自宅(実家)とは別のところに家を建て(購入し)住む(別居親族になる)ことになります。

つまり、同居親族ではなくなります。

実家の所有者である親御さんが亡くなった場合、そのお子さんが同居したまま、そのご自宅を相続し、一定の要件を満たすと、同居親族として小規模宅地等の特例の適用を受けることができ、そのご自宅の敷地について、330㎡までの部分について8割引で評価することができます。

しかし、住宅取得等資金の非課税贈与を受け、別居親族になると、この特例は適用できません。

別居親族が小規模宅地等の特例の適用を受けられなくなる

住宅取得等資金の非課税贈与により、貸家住まいのお子さんに住宅取得等資金の非課税贈与をした場合、そのお子さんはご自分の家を所有することになります。

実家の所有者である親御さんが亡くなった場合、そのお子さんが貸家住まいのまま、そのご自宅を相続し、一定の要件を満たすと、家なき子特例により、小規模宅地等の特例の適用を受けることができ、そのご自宅の敷地について、330㎡までの部分について8割引で評価することができます。

しかし、住宅取得等資金の非課税贈与を受け、家あり子になると、この特例は適用できません。

想う相続税理士

住宅取得等資金の非課税贈与を受けるより、小規模宅地等の特例の適用を受けた方が節税効果が高かった、なんてことになることも考えられますので、ご注意を。