相続税専門税理士の富山です。
今回は、成年後見人や法定代理人、特別代理人が登場する場合の遺産分割協議について、お話します。
遺言がなければ遺産分割協議
遺産分けにおいて、遺言は亡くなった方の意思が書かれたモノであるため、最も優先されます。
もちろん、法律的に有効な遺言であることが前提です。
遺言がなければ、相続人間で遺産分割協議を行い、遺産分けをします。
遺産分割協議は相続人全員の合意が必要
遺産分割協議は、相続人全員の合意がないと成立しません。
連絡が取れない相続人がいる場合、連絡が取れないから無視してOKとはなりません。
遺産分割協議を成立させるためには、その相続人の方を探し出す必要があります。
また、目の前に相続人の方がいても、その方では遺産分割協議ができない場合があります。
さて、どういうことでしょう?
未成年の相続人がいる場合【その1】
民法(一部抜粋)
(未成年者の法律行為)
第五条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。
未成年の方は、単独で法律行為を行うことができません。
民法(一部抜粋)
(財産の管理及び代表)
第八百二十四条 親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。
未成年の相続人の方については、親権者(父母)が法定代理人として遺産分割協議に参加します。
未成年の相続人がいる場合【その2】
一人の親権者が複数人の未成年の方の法定代理人になることはできません。
ある未成年の方には有利に、ある未成年の方には不利に、遺産分割協議を進めてしまうかもしれないからです。
その未成年の方だけでなく、その未成年の方の親権者も相続人である場合も、その親権者は法定代理人になることはできません。
自分にとって有利に、未成年の方には不利に、遺産分割協議を進めてしまうかもしれないからです。
このような場合には、家庭裁判所に、特別代理人を選任してもらいます。
その特別代理人が、遺産分割協議に参加します。
認知症の方がいる場合
認知症の方(などのように判断能力が低下し意思表示ができない方)は、遺産分割協議に参加することはできません。
このような場合には、家庭裁判所に、成年後見人を選任してもらい、その成年後見人が、認知症の方の代理人として、遺産分割協議に参加します。
想う相続税理士