他人の山林を借りて造成し太陽光発電設備を敷設した方が亡くなった場合④
想う相続税理士秘書
賃借権の評価に使用する具体的な割合
(2)((1)に掲げる賃借権以外の賃借権の価額)の場合、「その賃借権が地上権であるとした場合に適用される法定地上権割合の2分の1に相当する割合を乗じ」るのだが、この割合とは下記の割合
相続税法(一部抜粋)
第23条 地上権及び永小作権の評価
地上権(借地借家法(平成3年法律第90号)に規定する借地権又は民法第269条の2第1項(地下又は空間を目的とする地上権)の地上権に該当するものを除く。以下同じ。)及び永小作権の価額は、その残存期間に応じ、その目的となつている土地のこれらの権利を取得した時におけるこれらの権利が設定されていない場合の時価に、次に定める割合を乗じて算出した金額による。
残存期間が10年以下のもの
100分の5
残存期間が10年を超え15年以下のもの
100分の10
残存期間が15年を超え20年以下のもの
100分の20
「賃貸借期間20年で契約を結んでいて、契約後1年経過後に相続が発生した」のであれば、残存期間は19年なので、100分の20、その2分の1なので100分の10、つまり10%
「山林としての評価額に造成費相当額を加算した雑種地としての評価額×10%」が亡くなった方の相続税の課税対象
地主の方(他人Bさん)が亡くなった場合
仮に、この山林の地主BさんがAさんと同時に死亡した場合、このAさんに貸していた部分について、地主Bさんの相続税の課税対象となる金額は、「賃借人又は地上権者がその雑種地の造成を行っている場合には、その造成が行われていないものとして」雑種地を評価し、「×90%(Aさんの10%部分を除いた部分)」する
財産評価基本通達(一部抜粋加工)
86 貸し付けられている雑種地の評価
賃借権、地上権等の目的となっている雑種地の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。
(1) 賃借権の目的となっている雑種地の価額は、原則として、82《雑種地の評価》から84《鉄軌道用地の評価》までの定めにより評価した雑種地の価額(以下この節において「自用地としての価額」という。)から、87《賃借権の評価》の定めにより評価したその賃借権の価額を控除した金額によって評価する。
ただし、その賃借権の価額が、次に掲げる賃借権の区分に従いそれぞれ次に掲げる金額を下回る場合には、その雑種地の自用地としての価額から次に掲げる金額を控除した金額によって評価する。
イ 地上権に準ずる権利として評価することが相当と認められる賃借権(例えば、賃借権の登記がされているもの、設定の対価として権利金その他の一時金の授受のあるもの、堅固な構築物の所有を目的とするものなどがこれに該当する。)
その雑種地の自用地としての価額に、その賃借権の残存期間に応じ次に掲げる割合を乗じて計算した金額
(イ) 残存期間が5年以下のもの 100分の5
(ロ) 残存期間が5年を超え10年以下のもの 100分の10
(ハ) 残存期間が10年を超え15年以下のもの 100分の15
(ニ) 残存期間が15年を超えるもの 100分の20
ロ イに該当する賃借権以外の賃借権
その雑種地の自用地としての価額に、その賃借権の残存期間に応じイに掲げる割合の2分の1に相当する割合を乗じて計算した金額
(注) 上記(1)において、賃借人又は地上権者がその雑種地の造成を行っている場合には、その造成が行われていないものとして82《雑種地の評価》の定めにより評価した価額から、その価額を基として87《賃借権の評価》の定めに準じて評価したその賃借権の価額又は相続税法第23条《地上権及び永小作権の評価》若しくは地価税法第24条《地上権及び永小作権の評価》の規定により評価した地上権の価額を控除した金額によって評価する。
参考
地価税法(一部抜粋)
(地上権及び永小作権の評価)
第二十四条 地上権(借地権又は民法第二百六十九条の二第一項(地下又は空間を目的とする地上権)の地上権に該当するものを除く。以下この条において同じ。)及び永小作権(以下この条において「地上権等」という。)の価額は、次の各号に掲げる地上権等の区分に応じ、その目的となっている土地の課税時期における当該地上権等が設定されていないものとした場合の時価に、当該各号に定める割合を乗じて計算した金額による。
一 残存期間が十年以下であるもの 百分の五
二 残存期間が十年を超え十五年以下であるもの 百分の十
三 残存期間が十五年を超え二十年以下であるもの 百分の二十