相続税申告は土地の評価が最大のポイント
相続税の申告は、単純に税率を掛けて税金を計算して終わり、というものではない。
まずは、相続財産を「評価」する必要がある。
税金を計算するための、税率を掛ける前の段階である、「評価」の難易度が高く、税理士によって税金の金額に大きく差が出る部分である。
特に、土地の評価については、相続税専門で数多くの依頼を受けている税理士と、そうでない税理士とで差が付く。
本に載っているようなキレイな形の土地は、現実にはほとんどない。
経験が評価に活きる。
その上、評価単位ごとの金額が大きいのが土地の特徴。
評価額が大きく変われば、税額にも大きな影響を及ぼす。
土地の評価については、評価額を引き下げる各種の取扱いがあるため、それらをもれなく適用することが重要。
二次相続を考慮した遺産分割・相続税申告が重要
一次相続(今回の相続)で相続税が安くなっても、二次相続(次回の相続。主に配偶者の相続)で相続税の負担が高くなり、相続税が払えなくなったり、遺産分けに支障をきたすことがないよう、一次相続・二次相続トータルで遺産分割・相続税申告を検討しましょう!
実際に税額を計算してみる必要があるので、何パターンかの遺産分割案を元に相続税の金額をシミュレーションしてみましょう!
また、二次相続に備えて、一次相続終了後、相続した財産について相続税対策を行ったり、売却により資金を確保するなど、継続して検討する必要性がある。
相続税申告までの流れ(簡略版)
まずは、とにかく書類を集めること。
手元にある資料だけでは相続税は計算できない。
銀行など金融機関の残高証明書を取得したり、土地建物の固定資産評価証明書を取得したりする必要がある。
金額云々ではなく、財産をもれなく把握する
次に、収集した資料を基に、相続税の試算をする。
100%正確な評価でなくてもいいので、概算の評価額を計算し、それに基づいて概算の相続税を計算する。
その相続税が納められるかの確認が重要。
相続財産のうちに、現在使用している土地や建物、又は経営している会社の株式の占める割合が高い場合には注意。
納税資金対策に早めに着手する必要がある。
もちろん、相続税の試算をしてみたら、相続税が0ということであれば、相続税の申告は不要である
そして、遺産分割に着手する。
相続財産というのは、相続人全員の合意がなければ、どうすることもできない(遺言があれば別)。
納税資金に充てたくても充てられない。
遺産分割協議書で財産を分配する。
この遺産分割が相続税の申告期限までに間に合わないと、相続税申告における各種の優遇税制の適用を受けずに、いったん法定相続分で分割したものとして相続税の申告をし、納付する必要があるので注意。
遺産分割が完了すれば、各相続財産について、正確な評価を行い、相続税の申告書を提出する。