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連れ子の方に財産を相続させる方法とその相続税申告上のメリット

相続税専門税理士の富山です。

今回は、連れ子の方に財産を相続させる方法とそのメリットについて、お話します。


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連れ子の方に相続で財産をあげる方法

お子さん(Aさん)がいる方Bさんが、(Cさんと)再婚をした場合、その再婚相手(Cさん)から見たそのお子さん(Aさん)のことを「連れ子」と言います。

連れ子という言い方をしますが、AさんはCさんの子供ではありません。

Cさんが亡くなった時にBさんは配偶者として相続人になりますが、Cさんは相続人にはなりません。

つまり、相続権がありません。

ですから、Cさんが自分の相続があった時にAさんに財産を残してあげたいと思っても、何もしなければ、(その後、もしBさんとCさんの間にお子さんが生まれた場合)BさんとCさんの間に生まれたお子さんと配偶者であるBさんだけが相続人となり、Aさんには財産を渡すことができません。

このような場合には、「養子縁組」(Aさんを養子にする)か、「遺言」(Aさんを「受遺者」(受取人)にする)により、相続で財産をあげることができます。

連れ子の方と養子縁組をした場合のメリット

連れ子の方と養子縁組をした場合で遺言がない場合には、相続人間で遺産分割協議(遺産分けの話し合い)をすることになりますので、連れ子の方は、その内容に従って財産を取得することになります。

相続税の計算においては、「遺産に係る基礎控除」という「相続税の非課税枠」があり、
3,000万円+600万円×法定相続人の数
で計算されます。

民法(一部抜粋)
(嫡出子の身分の取得)
第八百九条 養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する。

養子の方は、実子と同じ扱いになりますので、「法定相続人の数」にカウントできます。

ただし、養子の方の人数を「法定相続人の数」として無制限に認めてしまうと、養子縁組をすればいくらでも相続税の非課税枠を増やすことができることになってしまうため、

  1. 亡くなった方に実の子供がいる場合・・・1人まで
  2. 亡くなった方に実の子供がいない場合・・・2人まで
という「養子の方の人数を『法定相続人の数』としてカウントする場合の人数制限」があります。

しかし、連れ子の方が養子になった場合には、その養子の方を実子とみなして計算することができます。

つまり、この「1人まで」とか「2人まで」という制限はかからないのです(「法定相続人の数」にカウントできます)。

相続税法(一部抜粋加工)
第15条遺産に係る基礎控除
3 前項の規定の適用については、次に掲げる者は実子とみなす
一 民法第817条の2第1項(特別養子縁組の成立)に規定する特別養子縁組による養子となつた者、当該被相続人(亡くなった方)の配偶者の実子で当該被相続人(亡くなった方)の養子となつた者その他これらに準ずる者として政令で定める者

遺言により連れ子の方を受取人とした場合のメリット

連れ子の方に(養子縁組をせず)遺言で財産をあげた場合でも、一定の要件を満たせば、上記のようなメリットが出る場合があります。

それは、「小規模宅地等の特例」の適用です。

連れ子の方は「相続人」ではないのですが、「一親等の姻族」として「親族」になります。

小規模宅地等の特例は、取得者が親族であることが要件となっており、連れ子の方はこの要件を満たします。

想う相続税理士

小規模宅地等の特例は、他にも要件がありますので、ご注意を。
連れ子の方だから適用できない、と勘違いして申告しないよう、ご注意を。

また、連れ子の方と同居していればよかった(小規模宅地等の特例の適用を受けられたのに!)なんてことにならないよう、ご注意を。

想う相続税理士秘書

想う相続税理士

「一親等の血族及び配偶者以外の方」は相続税が2割増しで計算されます。

連れ子の方は、この2割増し課税の対象になりますので、ご注意を(養子縁組すれば、2割増し課税の対象にはなりません)。