相続税申告における小規模宅地等の特例の貸付事業用宅地等
貸付事業用宅地等の適用ケースは、下記A・Bの2つ
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【A】事業主=亡くなった方
- 亡くなった方の貸付事業の用に供されていた宅地等を
- 親族が取得し
- 相続開始時から相続税の申告期限までの間にその貸付事業を引き継ぎ
- 相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を有し
- 相続税の申告期限まで引き続きその宅地等をその貸付事業の用に供している
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【B】事業主=亡くなった方の生計一親族
- 亡くなった方の生計一親族の貸付事業の用に供されていた宅地等を
- その生計一親族が取得し
- 相続開始時から相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を有し
- 相続開始前から相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を自己の貸付事業の用に供し
- 亡くなった方に土地や建物に係る地代や家賃を支払っていなかった
貸付事業=不動産貸付業、その他政令で定めるもの(駐車場業、自転車駐車場及び準事業)に限る
特定同族会社事業用宅地等に該当するものを除く
貸付事業を行っている場合には、他の適用パターンである「特定事業用宅地等」の適用はない
相続開始前3年以内に、新たに貸付事業の用に供された宅地等を除く
相続開始の日まで3年を超えて引き続き特定貸付事業を行っていた亡くなった方や亡くなった方の生計一親族のその貸付事業の用に供されていた宅地等であればOK
※特定貸付事業=貸付事業のうち準事業以外のモノ
準事業=事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行うモノ
貸付事業の用に供されていた宅地等に該当するかどうかは、相続開始時に現実に貸付事業の用に供されていたかどうかで判定する
相続開始時に一時的に賃貸されていなかったと認められる部分がある場合におけるその部分に係る宅地等の部分が含まれる
租税特別措置法関係通達(一部抜粋)
69の4-24の3 新たに貸付事業の用に供されたか否かの判定
次に掲げる場合のように、貸付事業に係る建物等が一時的に賃貸されていなかったと認められるとき
(1) 継続的に賃貸されていた建物等につき賃借人が退去をした場合において、その退去後速やかに新たな賃借人の募集が行われ、賃貸されていたとき(新たな賃借人が入居するまでの間、当該建物等を貸付事業の用以外の用に供していないときに限る。)
(2) 継続的に賃貸されていた建物等につき建替えが行われた場合において、建物等の建替え後速やかに新たな賃借人の募集が行われ、賃貸されていたとき(当該建替え後の建物等を貸付事業の用以外の用に供していないときに限る。)
(3) 継続的に賃貸されていた建物等が災害により損害を受けたため、当該建物等に係る貸付事業を休業した場合において、当該貸付事業の再開のための当該建物等の修繕その他の準備が行われ、当該貸付事業が再開されていたとき(休業中に当該建物等を貸付事業の用以外の用に供していないときに限る。)