【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

遺産分けは難しい

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続においてやむを得ず生ずるタイムラグなどについて、お話します。


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相続税の評価時点は亡くなった日

相続税の申告の基準となる「日」は、その方が「亡くなった日」です。

その亡くなった日時点にあった財産を申告します。

その死亡日後に相続人の方がその財産を使ってしまい、申告の時には財産がなかったとしても、申告の対象となります。

そして、相続税の申告では、その亡くなった日時点における金額をベースとした「相続税評価額」で相続税を計算します。

とはいえ、死亡日時点の金額で申告しないものもある!

冒頭のツイッターにも書かれているとおり、上場株式については、過去を含めた月平均株価と比較し、一番安い株価を採用することができます。

たまたま高い株価の時に相続があった場合にはカワイソウですから、こういった救済措置がとられているワケです。

この上場株式を相続した人は、亡くなった日に2,000円の株だったとしても、前月平均が1,500円だったら、1,500円で計算してもらえますので、得した気分になります。

でも、他の相続人の方は「ズルい!」と思うかもしれません。

「相続税評価額」は必ずしもその財産の価値を表していない!

土地は、路線価方式、または、倍率方式で評価します。

その評価額でその土地が売れるかというと、その保証はありません。

売れないような土地であっても、相続税評価額が計算され、相続税がかかります。

財産の金額はどんどん変わる

相続人間で遺産分けの話し合いをするのは、死亡日から(ずっと)後になりますので、遺産分割協議が確定し、遺産分けを行い、相続人の方が相続財産を自分のモノとした頃には、その取得した財産が、死亡日よりも、値上がりしているかもしれませんし、値下がりしているかもしれません。

遺産が未分割だとなおさら大きく変動する

相続税の申告は、亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内にしなければなりません。

この10ヶ月以内に遺産分けの話し合いがまとまらなかった場合でも、相続税の申告・納税は待ってもらえません。

まとまらないのであれば、とりあえず「各相続人が法定相続分で取得したものとして」相続税の申告・納付をすることになります。

そうやっていったん仮で相続税を納め、その後、遺産分けの話し合いがまとまったら、結果として法定相続分よりも多く財産を相続した方は、多く相続した分に対する相続税を納め、逆に法定相続分よりも相続する財産が少なくなった方は、払い過ぎとなった相続税を返してもらう、ということになります。

つまり、10ヶ月を超えて、その遺産分割の確定に向けて、引き続き、相続人間で遺産分割協議を行うワケなのですが、この遺産分割協議が長引けば長引くほど、時間の経過に伴い、相続財産の金額が大きく変わってしまい、話し合いを難航させる要因となる場合があります。

想う相続税理士

このあたりに対して、どのように対処して遺産分けの話し合いを進めるか、そして相続税の申告をするか、ということが重要なポイントとなります。