相続税専門税理士の富山です。
今回は、住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じた場合の税務上の取扱い(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)について、お話します。
不動産を売却して損失が生じたら給与の源泉が還付される?
国税庁HP・タックスアンサー(一部抜粋加工)
No.3203 不動産を譲渡して譲渡損失が生じた場合
個人が、土地や建物を譲渡して長期譲渡所得または短期譲渡所得の金額の計算上譲渡損失の金額が生じた場合には、その損失の金額を他の土地や建物の譲渡所得の金額から控除できますが、その控除をしてもなお控除しきれない損失の金額は、事業所得や給与所得など他の所得と損益通算することはできません。
通常、土地や建物を売却してマイナス(譲渡損失)が発生しても、給与所得のプラスと相殺(損益通算)することはできません。
ザックリ言うと、仮に、500万円の譲渡損失(マイナス)と500万円の給与所得(プラス)があり、これらが相殺(損益通算)できてゼロになれば、給与から差し引かれている源泉所得税が還付になる可能性があるのですが、原則としてそれはない、ということになります。
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マイホームを売却した場合には要件に該当すれば損益通算が可能
なお、長期譲渡所得に該当する場合で居住用財産を譲渡したときに生じた譲渡損失の金額については、一定の要件を満たす場合に限り、譲渡をした年に事業所得や給与所得など他の所得との損益通算をすることができ、これらの通算を行ってもなお控除しきれない損失の金額については、その譲渡の年の翌年以後3年間にわたり繰り越して控除することができます。
国税庁HP・タックスアンサー(一部抜粋加工)
No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)
令和7年12月31日までに住宅ローンのあるマイホームを住宅ローンの残高を下回る価額で売却して損失(譲渡損失)が生じたときは、一定の要件を満たすものに限り、その譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得から控除(損益通算)することができます。さらに損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、譲渡の年の翌年以後3年間繰り越して控除(繰越控除)することができます。
これらの特例を、特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例といいます。なお、これらの特例は、新たなマイホーム(買換資産)を取得しない場合であっても適用することができます。
ただし、一定の要件に該当する場合には、相殺(損益通算)や翌年以後3年間の確定申告への損失の繰り越し(繰越控除)が可能です。
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