障害者手帳
相続開始時に身体障害者手帳等の交付を受けていない方であっても、一定の要件に該当する場合には、相続税の申告において障害者控除を適用することができる
その要件とは、下記の(1)の①または②のどちらかの要件を満たし、かつ、(2)の①または②のどちらかの要件を満たす場合(下記の(1)と(2)のどちらの要件も満たす必要がある)
- (1)
- 相続税の期限内申告書の提出日において身体障害者手帳等の交付を受けている
- 相続税の期限内申告書の提出日において身体障害者手帳等の交付を申請中
- (2)
- 一定の医師の診断書により、相続開始の時の現況において、明らかにこれらの手帳に記載される程度の障害があると認められる者であること
- 一定の精神障害を支給事由とする給付を現に受けていることを証する書類により、相続開始の時の現況において、明らかにこれらの手帳に記載される程度の障害があると認められる者であること
相続で財産を取得した一定の方が障害者に該当する場合、相続税の申告において障害者控除を適用することができる
相続税の障害者控除は、その障害者の方が満85歳になるまでの年数1年(1年未満は1年でカウント)につき、一般障害者の場合には10万円、特別障害者の場合には20万円で計算される
したがって、特にその障害者の方がお若い場合、障害者控除の金額はかなり大きくなる
その障害者の方について計算された相続税の金額に障害者控除を適用し、それでもまだ控除額が余る場合には、その障害者の方の扶養義務者の相続税の金額に障害者控除を適用することができる
交付を受けられるのに受けていない場合には、早目に交付の申請を
二世帯住宅の小規模宅地等の特例【PART1】
亡くなった方のご自宅が、1階は亡くなった方のご夫婦が住んでいて、2階は長男夫婦が住んでいる、区分所有(住宅内部で行き来できない)の二世帯住宅である場合(敷地は100%亡くなった方が所有、建物は1階が亡くなった方の所有、2階は長男の所有)の小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)の適用可否
長男が生計別親族で配偶者がご自宅の土地建物を相続した場合
→敷地のうち1階部分に対応する部分のみ小規模宅地等の特例適用可
長男が生計一親族で配偶者がご自宅の土地建物を相続した場合
→敷地全体について小規模宅地等の特例適用可
生計別の長男がご自宅の土地建物を相続した場合
→敷地全体について小規模宅地等の特例適用不可
生計一の長男がご自宅の土地建物を相続した場合
→敷地のうち2階部分に対応する部分のみ小規模宅地等の特例適用可