【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

贈与を受けた年中に贈与者が死亡した場合の課税上の取扱い

相続税専門税理士の富山です。

今回は、AさんがBさんにX年に贈与をし、Aさんがその贈与をしたX年にお亡くなりになった場合の注意点について、「相続税法基本通達11の2-5」をベースにお話します。


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贈与税×・相続税○

相続税法基本通達(一部抜粋加工)
11の2-5 贈与により取得した財産の価額が相続税の課税価格に加算される場合
相続又は遺贈により財産を取得した者がその相続開始の年において当該相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産(被相続人を特定贈与者とする相続時精算課税の適用を受ける財産を除く。)の価額については、法第21条の2第4項の規定により贈与税の課税価格に算入しないで相続税の課税価格に加算することに留意する。

結論としては、贈与財産の価額を「贈与税の課税価格に算入しないで相続税の課税価格に加算する」ということなのですが、その前提として、

Aさん相続の際に、Bさんが相続で財産を取得していること

が前提となっています。

つまり、BさんがAさんの相続で財産を取得しなければ、結論どおりにはならず、その贈与財産に贈与税が課税されます(当然、相続税は課税されません)。

上記は「暦年課税贈与」の場合のお話です。

想う相続税理士秘書

相続時精算課税贈与財産は必ず相続税が課税される

また、カッコ書きに「相続時精算課税の適用を受ける財産を除く」とあります。

相続開始年分の贈与について相続時精算課税が適用されるとどうなるかというと、

また、相続開始の年において特定贈与者である被相続人からの贈与により取得した相続時精算課税の適用を受ける財産の価額については、法第21条の10の規定により贈与税の課税価格に算入される(法第28条第4項の規定により当該財産については贈与税の申告を要しない。)とともに、法第21条の15第1項又は第21条の16第3項の規定により相続税の課税価格にも加算又は算入されることに留意する。

とあるとおり、

相続税法(一部抜粋)
第21条の10 相続時精算課税に係る贈与税の課税価格
相続時精算課税適用者が特定贈与者からの贈与により取得した財産については、特定贈与者ごとにその年中において贈与により取得した財産の価額を合計し、それぞれの合計額をもつて、贈与税の課税価格とする。

の規定により贈与税の課税価格に算入されるものの、

相続税法(一部抜粋加工)
第28条 贈与税の申告書
4 特定贈与者からの贈与により第21条の9第3項の規定の適用を受ける財産を相続時精算課税適用者が取得した場合において、当該特定贈与者が当該贈与をした年の中途において死亡したときは、当該贈与により取得した財産については、第1項の規定(贈与税の申告書を提出しなければならない)は、適用しない。

の規定により、贈与税の申告書の提出は不要となります。

想う相続税理士

相続時精算課税贈与財産の価額を相続税の課税価格に「加算」すると表現するか「算入」すると表現するかは、その特定贈与者から相続で財産を取得しているか・いないかにより変わります。