相続税専門税理士の富山です。
今回は、生前贈与の相続税節税効果について、お話します。
生前贈与をすれば必ずトクをする?
「相続税対策」と言うと、真っ先に思い浮かぶのが生前贈与だと思います。
でも、その生前贈与も、ただ漫然とやっていると失敗します。
生前贈与が相続税対策になる、ということは、相続の時に相続税を支払うよりも、税金が安く済む、ということです。
極端な話、相続があっても相続税がかからないのであれば、生前贈与により贈与税を支払うと、逆に損をしてしまいます。
生前贈与加算と贈与税額控除
親御さんから財産の贈与を受けて贈与税を支払い、その親御さんが3年以内に亡くなって、その相続で財産を取得した場合には、その相続で取得した財産に加えて、その3年以内に贈与を受けた財産も相続税の課税対象になります。
この場合、贈与を受けた財産には贈与税がかかっていますから、相続税の課税対象になると「二重課税」になってしまうため、相続税の計算においては、計算された相続税からその贈与税を差し引くことができます(「贈与税額控除」と言います)。
相続で取得した財産が600万円、3年以内に贈与を受けた財産が400万円だとします。
この計1,000万円の財産に対して100万円の相続税がかかるとします(税負担率10%)。
でも、400万円の贈与を受けた際、30万円の贈与税を支払っている(税負担率7.5%)としたら、支払う相続税は、
100万円△贈与税額控除30万円=70万円
となります。
ここで、「やっぱり贈与税を払ってでも生前贈与した方がいいんだ、払った分は相続税を計算する時に引いてもらえるんだから」と考えてはいけません。
まず、この贈与税額控除は、相続で財産を取得した方が、相続開始前3年以内にその亡くなった方から贈与により財産を取得した場合に、その贈与財産が相続税の課税対象となる(「生前贈与加算」と言います)ために、その二重課税を排除するために設けられた制度です。
この贈与が、相続開始前3年超だったらどうだったでしょうか?
生前贈与加算の対象にならないため、税負担7.5%で完結します。
3年以内だと、税負担10%の相続税の計算に取り込まれます。
想う相続税理士
3年以内だったとしても、その贈与により財産を受けた方が相続で財産を取得しなければ、生前贈与加算の対象にはなりません。
想う相続税理士秘書
長男と次男が3年以内に400万円ずつ財産の贈与を受けていたとしても、相続で長男が財産を相続したけれども、次男は(死亡保険金等も含めて)財産を相続していない、というのであれば、次男の400万円の贈与財産は、税負担7.5%で完結です。
長男の400万円の贈与財産は、税負担10%の相続税の計算に取り込まれます。
想う相続税理士