相続税専門税理士の富山です。
今回は、「経験したもん勝ち」ということについて、お話します。
読むのとやるのとでは大違い
相続税の専門書を読んで、「勉強になったな」と思ったとしても、それが実際の実務でできるかというと、そんなことはないと思っています。
分かったつもりになっていても、分かっていないことがあるんじゃないか、と思うようにしています。
失敗したくないからです。
完全な準備は不可能
相続税の専門書を読んで、「こういうケースの相続が来たら、こう対処しよう」と、事前に準備しておけば、すぐに対応できるのでしょうか。
そんなことはないと思います。
着手してみて、いろいろと検討すべき点が出てくるのが常です。
一生懸命準備しても、検討違いのことをやってしまうかもしれません。
必要に迫られるから本気になる
勉強のために専門書を読むのと、申告をするために必要に迫られて専門書を読むのとでは、その時の気持ちのモードが全く変わってきます。
知識を習得したいな、身に付けたいな、というインプットの意識と、申告書に正しく計算結果を表さなければならない、というアウトプットの意識の違いとも言えます。
見落としはないか、確認もれはないか、実際に目の前にやるべき課題(お客様の申告や評価)があるからこそ、具体的にいろいろな角度から見ようとします。
やったことのない申告は、不安な面もあったりしますが、その不安を原動力に、その不安がなくなるぐらいきちんと調べて確認すれば、新たな知識が身につきます。
人生も一緒
仕事以外でも同じことが言えると思います。
順風満帆な時に「いいことが書いてあるな」という感じで本を読むのと、精神的に苦しい状態や何かを渇望するような状態で「今のこの状態を何とかしたい!」と救いを求めるように本を読むのとでは、その本から得られるものは全く違います。
救ってくれるのは、本ではなく、誰かが言った言葉の場合もあるかもしれません。
自分で見つけ出した考え方のこともあるでしょう。
それは、その大変な状態を乗り越えた後も、生きる指針として、その人を支えてくれるはずです。
大変な状態であることは、ある意味、有り難いことでもあります。
想う相続税理士
独立前は、経営者や地主の方の相続税の申告が多かったのですが、独立してからは、それ以外の方の申告も、いろいろとやらせていただいています。
いつも思った以上に大変です。
しかし、それにより得られる新たな知識は財産となります。
有り難いことです。