相続税専門税理士の富山です。
今回は、土地の評価単位を判定する際、地目ごとに評価単位を分けない場合(その1)について、お話します。
想う相続税理士秘書
【2】一体利用の一団土地は主地目に統一された1つの土地として評価
財産評価基本通達(一部抜粋)
7 土地の評価上の区分
ただし、一体として利用されている一団の土地が2以上の地目からなる場合には、その一団の土地は、そのうちの主たる地目からなるものとして、その一団の土地ごとに評価するものとする。
上記の記事でお話したように、原則は「地目」ごとに評価単位を分けます。
ただし、異なる地目の土地が有機的につながっている場合もあります。
A土地(地目a)があり、そのA土地部分だけで土地が活用できるとしても、そこにB土地(地目b)が隣接し、A土地とB土地が一体的に利用されることにより、そのA土地がさらに有効活用される、B土地があることによりA土地の活用度が上がる、というような場合です。
A土地とB土地が一体的に利用されることで、A土地で発揮されている機能がさらに上がる、つまり、この場合、A土地がメイン(主)で、B土地がサブ(副)です。
このような場合には、A土地・B土地を地目が異なるからと言って別々に評価せず、一体利用されているA土地とB土地を併せて1つの土地として、かつ、全体がメインのA土地の地目からなるモノとして評価します。
地目が異なっても一団の土地ごとに評価する例(その1)
上記のように評価する例としては、次のようなモノがあります。
大規模な工場用地
工場が建っている「宅地」もあれば、例えば、材料や製品を運ぶトレーラーが停車するためのエリア、つまり「雑種地」もあるハズです。
「工場は製品を作るための場所なんだから、工場が建っている『宅地』だけで十分機能を発揮するハズだ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、材料を納入したり、製品を出荷するための車がなければ工場の機能は果たせません。
つまり、(工場が建っている宅地部分以外の部分も含めた)工場の敷地全体で工場としての高い機能を発揮することができるのです。
ですから、(大規模な工場の場合には、また検討すべき論点がありますが)その工場の敷地全体を宅地として評価します。
想う相続税理士