相続税専門税理士の富山です。
今回は、相続財産に道(「私道」)があった場合の対応について、お話します。
まずは使われ方を見る
その私道がどのように使われているかによって、評価パターンが異なります。
評価しないパターン
不特定多数の者が通行していたり、利用している場合です。
具体的には、バス停があったり、通り抜けできるような場合など、「公道」みたいな感じになっているのであれば、「私物」じゃないよねって感じで、評価しなくてもいいことになっています。
7割引で評価するパターン
完全に「公道」とまではいかないけれど、特定の人がもっぱら通行しているような場合です。
袋小路になっている私道であれば、その道を通行する人は限られますよね。
この場合には、まず、その私道を通常の宅地として路線価方式・倍率方式により評価し、次に、その評価額の30%で申告書に計上します。
倍率方式で評価する場合は注意!
倍率方式の場合、「固定資産税評価額×倍率(1.1など)」で評価しますが、この「固定資産税評価額」に注意が必要です。
この金額が「私道」であることを加味した安い評価額となっている場合には、後から30%評価すると、二重に安くしてしまうことになります。
したがって、この「固定資産税評価額」は、私道ではない場合の「固定資産税評価額」を使用する必要があります。
宅地と一体で評価するパターン
その部分だけを見れば「道」だけど、単にそこが細くて道みたく見えているだけで、実際には宅地の一部であるような場合には、その宅地と一緒に評価します。
つまり、道として評価しない、ということです。
上の2パターン目の7割引評価パターンの場合には、近所の何軒かがその道を使う感じですが、この宅地と一体で評価するパターンは、もうその家の人しか使わない、って感じですね。
現地調査が重要
公図を見ても「道」らしきものはないが、現地調査をしてみたら「道」がある、ということもあります。
近所の人と一緒に、それぞれの土地の一部を拠出して「道」にしているような場合です。
この場合には、1つの宅地を「宅地」と「道」に分けて評価します。
分けた上で、「道」の部分が、上のどのパターンに該当するか、検討しましょう。
書類上の現況地目をチェック!
固定資産税の課税明細書などを見ると、その土地の地目が記載されています。
その記載を参考にしていただきたいのですが、鵜吞みにしてはいけません。
現地調査で確認しましょう。
想う相続税理士
その「道」となっている土地の使われ方をきちんとチェックしましょう。