相続税専門税理士の富山です。
今回は、相続税の申告を依頼するならどんなタイプの税理士がいいか、ということについて、お話します。
しゃべらない税理士
以前、相続税の申告のご依頼があったお客様のところにご訪問して、お話をお伺いしたときのことです。
そのお客様のところでは、昔、会社を経営されていて、その時は顧問税理士がいたそうです。
今回、相続が発生して、相続税の申告をその税理士に依頼することも考えたそうですが、結果的には依頼しないで、当事務所にご連絡をいただきました。
なぜ、その税理士に依頼しなかったのかお伺いしたところ、毎月会社に来て何か作業をして帰っていったそうですが、ほとんど会話をしなかった、黙々と作業をして終わり、という感じだったそうです。
仕事として、やることだけはきちんとやっていたみたいなんだけど、会話がないので、そういう税理士には頼みたくない(頼まない)ということでした。
話をしないと始まらない相続税申告
相続税の申告の場合には、税理士が話をしないと始まりません。
亡くなった方がどのような財産をお持ちだったか、ということの把握から始まるワケですが、相続人の方が、その亡くなった方の財産を全て把握していて、その中で相続税の課税対象となる財産がどれか分かっている、なんてことはあり得ないからです。
相続税の申告はこういうモノです、こういったモノが相続税の対象になります、というようなことを税理士の方から分かりやすくご説明することが必要となります。
そして、その財産が形成されるに至った要因(亡くなった方の生前のお仕事や環境)についてもお伺いする必要があります。
想う相続税理士
亡くなった方の財産について、その相続人の方などと税理士が一緒に財産を確認しながら、相続税の申告をするのです。
亡くなった方が自分の財産の内容について書面にまとめておいてくれた、なんてことは通常ありません(あった場合もあります)。
特に、教育的な配慮などから、「自分に財産があるということが分かると、自分の子供がそれをアテにして努力をしなくなってしまう」と考えて、財産をお持ちでも、生前はご自分の財産の内容を明らかにしない、というような方も結構いらっしゃいます。
想う相続税理士秘書
そうすると、正しい申告をするためには、相続人の方などと税理士が、きちんとコミュニケーションを取って、相続税の申告を進めていく必要があるのです。
お客様のお気持ちに寄り添う
相続税の申告の難しいところは、そのような財産の把握や評価、計算という無機的な面だけではありません。
相続財産が相続人の方にとって思い入れのあるモノだったり、家族関係のことを税理士に話す必要があったりします。
また、高額な相続税の金額にビックリされることもありますし、相続人間で遺産分けの話し合いをしなければならないのがプレッシャーだ、という方もいます。
相続税の申告をする税理士は、そのようなお客様の状況にきちんと配慮し、そのお気持ちを理解し、積極的にご相談に乗ったりして、安心していただけるよう心がける必要があります。
想う相続税理士
先ほどのしゃべらない税理士でも法人税の申告はできるかもしれませんが、相続税の申告はできません。
相続税の申告は、信頼できる相性の良い税理士を見つけましょう!