【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

土地を評価する場合には最初に路線価図を見ないこと

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続税申告における土地評価の注意点ついて、お話します。


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路線価があれば路線価で評価する?

相続財産の中に、大きな道に接している土地がある場合、路線価図を見て、その接道している大きな道に付されている路線価を確認し、「路線価×面積」をベースに(公図や地積測量図を元に奥行価格補正率等の補正率を適用したりしながら)評価する、と聞いたら、「うんうん、それでいいんじゃない?」と思われるかもしれませんが、本当にそうでしょうか?

最初の図をご覧ください。

評価対象地①は、3万円の路線価が付されている路線に接している200㎡の宅地です。

先ほどのお話のように評価すると、評価額は、奥行価格補正率等を考慮しなければ、3万円×200㎡=600万円です。

本当にその土地は路線価で評価する土地?

しかし、例えば、この大きな道の北側がA町に該当し、A町は市街化調整区域に所在するため、この評価対象地①は倍率方式で評価しなければならない、というような場合があります。

この評価対象地①の固定資産税評価額が400万円で、宅地の倍率が1.1だとすると、評価額は、400万円×1.1=440万円になる、ということです。

逆に、この大きな道の南側がB町に該当し、B町は市街化区域に所在するため、評価対象地②は路線価方式で評価しなければならないのであれば、3万円×300㎡=900万円と、路線価を使用して評価してOK、ということもあります。

つまり、最初の図の大きな道に付されている路線価は、道の南側に接している土地を評価するためのモノ、というケースがあるのです。

倍率表を見ないと評価方式は分からない

上記のお話で勘違いしていただきたくないのは、必ずしも、市街化区域に所在する土地は路線価方式で評価し、市街化調整区域に所在する土地は倍率方式で評価するというワケではない、ということです。

その評価対象地を、路線価方式で評価するのか、それとも、倍率方式で評価するのかは、「倍率表」を見て確認する必要があります。

「その町」(または「丁目」「大字」)ごとに、さらにその町の中の「地域」ごと、「区域」ごと、国道等の「道沿い」か否か、等により、路線価方式・倍率方式のどちらで評価するのかを確認する必要があるのです。

またその確認のためには、評価対象地の場所を正確に把握し、さらには、市街化区域・市街化調整区域等のどの区域に該当するかを、固定資産税の課税明細書や役所調査、市区町村役場のホームページ等で確認する必要があります。

想う相続税理士

路線価図の中に倍率方式で評価するエリアも入ってくる場合、路線価図の中に大きな字で「倍率地域」と書かれることがありますが、どこまでが倍率地域(倍率方式により評価する地域)かは明確には書かれていませんので、ご注意を。