【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

債務免除を受けると税金がかかる!

相続税専門税理士の富山です。

今回は、債務免除や貸付けに係る課税関係について、お話します。


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債務を免除してもらうとトクをする

子供が親からお金を借りているとします。

その子供がお金を返すことができなくなったため、親が「もう返さなくていいよ」と言ったとします。

この時、「借入金」(親から見たら「貸付金」)の残高が1,000万円あれば、子供は1,000万円のお金を返さなくてよくなるワケです。

借りた1,000万円が自分のものになるワケです。

1,000万円分トクします。

経済的実質を考えると、親から1,000万円の贈与を受けた、ということになります。

ですから、この場合、子供には1,000万円に対する贈与税が課税されます。

お金がないのに贈与税を払わなければならないの?

債務免除を受けるということは、トクをする、ということですので、上記のとおり、トクした部分が贈与税の課税対象になります。

しかし、返済するお金がなくて債務免除を受けることもあるでしょう。

財産も収入もない場合には、贈与税を払うこともできないハズです。

そのため、「債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合」には、贈与があったものとみなされません。

相続税法(一部抜粋)
第8条
対価を支払わないで、又は著しく低い価額の対価で債務の免除を受けた場合においては、当該債務の免除があつた時において、当該債務の免除を受けた者が、当該債務の免除に係る債務の金額に相当する金額を当該債務の免をした者から贈与により取得したものとみなす。ただし、当該債務の免除が次に該当する場合においては、その贈与により取得したものとみなされた金額のうちその債務を弁済することが困難である部分の金額については、この限りでない
一 債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、当該債務の全部又は一部の免除を受けたとき。

そもそも貸付(借入)は成立していたのか?

親がお金のない子供に「貸付け」をし、その後、子供に財産や収入がないからといって「債務免除」を行い、その子供は資力を喪失しているから贈与税を払わない、というのは税務署に通用するのでしょうか?

形式的には「貸付け」となっていても、実質的に贈与と認められる場合には、貸し付けた際に贈与税が課税されます。

国税庁タックスアンサー(一部抜粋)
No.4420 親から金銭を借りた場合
実質的に贈与であるにもかかわらず形式上貸借としている場合や「ある時払いの催促なし」または「出世払い」というような貸借の場合には、借入金そのものが贈与として取り扱われます。

想う相続税理士

遺言で債務免除をした場合には、贈与税ではなく相続税の課税対象(遺贈)となりますが、ここでも「資力を喪失→遺贈により取得したものとみなさない」という取扱いがあります。