相続税専門税理士の富山です。
今回は、相続税申告における隅切りがある宅地の評価方法について、お話します。
隅切りとは?
いつも何気なく車で走っていたり、歩いていたりする交差点やT字路の角が、直角ではなく、角の部分が切り取られていて、曲がりやすくなっているのを思い出していただけるでしょうか?
これは、道路が交差する場所において、歩行者や自動車の安全を守るために、都道府県条例などにより、一定の角地(2つ以上の辺が道に接している土地)については、その端っこを切り取って道路にしているのです。
栃木県のホームページには、次のように書かれています。
(エ)隅切り
開発区域内において新設しようとする道路が同一平面で交わる場合(T字型及びL字型に交わる場合を含む。)、又は新設しようとする道路と既存の道路が交わる場合には、円滑な自動車交通安全のための視距(一定の見通し距離)を確保する目的でその街角を等辺に切り取り、道路に含むものとし、
隅切り長さ(ℓ)は次表を標準とする。
なお、やむを得ず隅切りを片側とする場合は、隅切り長さを標準の1.5倍とする。
隅切表(省略)
隅切りがある場合の間口距離はどこを測る?
上記の図の評価対象地は隅切りがありますが、この場合の間口距離は、10mでしょうか?それとも12mでしょうか?
間口距離は、原則として道路と接する部分の距離です。
そうすると、10mになりそうですが、隅切りがある土地の場合には、その隅切り部分を含めた上で間口距離を測ります。
ですから、12mということになります。
間口距離ってそんなに重要?
間口が狭いと土地の使い勝手が悪くなるため、相続税申告に係る土地評価においては、間口の狭さは減額要因となります。
また、不整形地(大体の土地が不整形地ですが)の奥行距離は、
不整形地の面積をその間口距離で除して得た距離(数値)
つまり、その土地の間口距離は、土地の評価額に大きな影響を及ぼします。
想う相続税理士
亡くなった方の名義になっている場合、相続税の申告においてどのように取扱うのかというと、通常、この隅切り部分は「私道」ということになるため、通常の私道と同じように、不特定多数の者の通行の用に供されていれば「非課税」、専ら特定の者の通行の用に供されている場合には「3割評価」となります。