【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

税務署に相続税の相談に行く前に知っておくべきこと

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続税の申告について不明な点を、税務署に相談する時の注意点についてお話します。


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電話で相続税の相談をしたい場合

「国税局電話相談センター」に相談することができます。

電話する場合には、亡くなった方の住所地を所轄する税務署に電話をしてください。

音声案内が流れますので、案内に従って番号を押して、選択して進んでいってください。

最初は「1」を選択します。

相続税の相談を電話でする場合に注意すべきこと

相談することを紙にまとめてから電話する

電話をする相手は、あなたの相続について何も知らない、ということを踏まえて分かりやすく説明する必要があります。

電話ですから、書類などを見てもらうこともできません。

誠意のある回答を得るためには、誠意のある質問をする必要があります。

前もって、説明する内容と手順を紙にまとめておくことをお勧めします。

特に質問する内容が多い場合には、1つの質問で集中力を使い果たしてしまい、他に聞くべきことを聞かずに電話を切ってしまう、ということも起こり得ます。

税務署は、午前8時半から午後5時までの間に電話をしないと繋がりません。

想う相続税理士秘書

窓口で相続税の相談をしたい場合

税務署の窓口で相続税の相談をしたい場合には、事前予約が必要となります。

この場合にも、上記と同様、税務署に電話をしてください。

上記で「1」を選択する代わりに「2」を選択してください。

相続税の相談を税務署の窓口でする場合に注意すべきこと

相談する環境を受け入れる

税務署にはいろいろな人が訪れます。

税務署の窓口や相談ブースなどで話をする際、それらの人に全く見えない、全く聞こえないように相談するのは、なかなか難しいものと思われます。

そういった環境であることに留意しましょう。

想う相続税理士

昔の話ですが、自分の確定申告書を税務署に提出しに行った際、受付で書類の中身の軽いチェックを受けていたところ、後から当時の勤務先の女性がやってきて、隣の窓口で書類の提出手続きを始めました。

自分の申告内容が見られるのではないかと思い、ヒヤヒヤしました。

税務職員の状況に思いを寄せる

相談に対応してくれる税務職員も、相談に乗ることだけが仕事ではありません。

短い時間で要点をきちんと伝えられるように、電話で相談する場合と同じような事前準備をしておきましょう。

個別事情に対する100%の回答がもらえる訳ではない

税理士に相談するのと、税務署に相談するのとでは、相談を受ける側のスタンスが違います。

税理士は、お客様から申告の依頼を受けて、そのお客様の代理で申告書を作成し、申告する、ということになりますので、お客様から相談を受けたり、書類を預かって計算したりしながら、その内容に合わせた申告書を作成する、ということになります。

それに対し、税務署に相談をした場合には、相談を受ける側は、基本的には一般論としての話を回答する、というスタンスになるものと思います。

なぜなら、相続税は、自分で税金を計算する「申告納税方式」の税金であり、税務署が税額を決める税金ではないからです。

ですから、税務署の回答も、一般論としてはそういうことだ、ということを伝えるスタンスになるものと思われます。

一番重要なのは、自分に都合のいいことだけを伝えないこと

また、ご自分が税金を安くしたいと思いながら相談していないかにも注意しましょう。

税務職員が、Aの場合はどうですか?という質問を受け、その時、Bという前提を伝えられたので、それならZだ、という回答をしたとします。

この場合、その相談をした方が、実はBという前提の他に、Cという前提もあったのだけれども、それを伝えると税金が高くなりそうだったので伝えなかった、という場合には、Zの回答が間違ってしまっていても、それは文句を言えません。

「税務署がこう言ったから大丈夫だ」というようなことをおっしゃるのを聞くことがありますが、それはきちんとした質問をした上での回答なのかどうか、ということが重要で、質問の内容や前提が間違っていれば、その税務署の回答も間違ってしまい、結果として、申告も間違ってしまう可能性があります。

想う相続税理士

一度、税務署に相談に行った後に、相続税の申告のご依頼をいただいたお客様が何人もいらっしゃいますが、お話を聞いたところでは、税務署も相談に行けば、何でもやってくれる、というワケではないようです。

何でも受け付けていたら、税務署もパンクしちゃいますからね。

税理士に依頼するとお金はかかりますが、時間が節約でき、また、気兼ねなく質問や相談ができる、お客様の意向(税金を安くしたい)に沿った申告書を提出することができる、というメリットがあります。