【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

相続税申告における養育年金付こども保険の評価方法

相続税専門税理士の富山です。

今回は、亡くなった方が養育年金付こども保険の契約者(保険料負担者)である場合の、相続税申告における取扱いについて、お話します。


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養育年金付こども保険の相続税評価額

相続税申告における養育年金付こども保険の評価方法については、財産評価基本通達に次のように定められています。

財産評価基本通達(一部抜粋)
3-15 養育年金付こども保険に係る保険契約者が死亡した場合
被保険者(子)が一定の年齢に達するごとに保険金が支払われるほか、保険契約者(親)が死亡した場合にはその後の保険料を免除するとともに満期に達するまで年金を支払ういわゆる養育年金付こども保険に係る保険契約者が死亡した場合における取扱いは、次に掲げるところによるものとする。
(1) 年金受給権に係る課税関係
保険契約者の死亡により被保険者等が取得する年金の受給権の課税関係については、次による。
イ 保険契約者が負担した保険料に対応する部分の年金の受給権 法第3条第1項第1号に規定する保険金とする。
ロ 保険契約者以外の者(当該受給権を取得した被保険者を除く。)が負担した保険料に対応する部分の年金の受給権 法第5条第1項に規定する保険金とする。
(注) イ及びロの年金の受給権の評価については、24-2参照。
(2) 生命保険契約に関する権利に係る課税関係
保険契約者の死亡後被保険者が一定の年齢に達するごとに支払われる保険金に係る生命保険契約に関する権利のうち保険契約者が負担した保険料に対応する部分については、当該保険契約者の権利義務を承継する被保険者について法第3条第1項第3号の規定を適用する。

養育年金付こども保険の被保険者は2人いる

養育年金付こども保険には、被保険者が2人います。

「養育年金」の部分については、(契約者である)親が死亡した場合に年金が支払われるワケですから、被保険者は親です。

「こども保険」の部分については、子が一定の年齢に達した場合に保険金(祝金)が支払われるワケですから、被保険者は子です。

被保険者が2人いるので保険事故発生部分と保険事故未発生部分に分けて考える

「養育年金」の部分については、契約者兼被保険者である親が亡くなったため、保険事故が発生している、ということになります。

その保険料を契約者兼被保険者である親が負担している場合には、相続税法第3条第1項第1号に規定する保険金に該当することになります。

相続税法(一部抜粋)
第3条 相続又は遺贈により取得したものとみなす場合
次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該各号に掲げる者が、当該各号に掲げる財産を相続又は遺贈により取得したものとみなす。この場合において、その者が相続人であるときは当該財産を相続により取得したものとみなし、その者が相続人以外の者であるときは当該財産を遺贈により取得したものとみなす。
一 被相続人の死亡により相続人その他の者が生命保険契約の保険金又は損害保険契約の保険金を取得した場合においては、当該保険金受取人について、当該保険金のうち被相続人が負担した保険料の金額の当該契約に係る保険料で被相続人の死亡の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分

評価額は、「年金の受給権」として計算します(契約内容により異なります)。

「こども保険」の部分については、被保険者である子が、各一定の年齢に達していなければ、保険事故が発生していない、ということになります。

その保険料を契約者である親が負担している場合には、相続税法第3条第1項第3号に規定する生命保険契約に関する権利に該当することになります。

三 相続開始の時において、まだ保険事故が発生していない生命保険契約で被相続人が保険料の全部又は一部を負担し、かつ、被相続人以外の者が当該生命保険契約の契約者であるものがある場合においては、当該生命保険契約の契約者について、当該契約に関する権利のうち被相続人が負担した保険料の金額の当該契約に係る保険料で当該相続開始の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分

評価額は、解約返戻金相当額となります。

想う相続税理士

解約返戻金相当額については、保険の提案資料等に「何年後、何歳の時にはいくら」という表が記載されている場合がありますので、大体の金額は分かる場合があります。