学生の頃から長い付き合いの男友達のお父さんが経済界のお偉いさんで、政界にも携わってるんだけど、今その友達が相続税対策で土地付き一軒家探してて、予算が1.5〜2億円だってよ。
へー(棒)— 🌺岩子🌺 (@Iwako_Ganseki) March 25, 2021
相続税専門税理士の富山です。
今回は、アパート経営をしなくても、同じ効果が得られる節税対策についてお話します。
基本は建物の評価
相続税の節税対策というと、アパート経営の話が出てきますが、なぜ節税になるかというと、現金で持っているよりも、それを建物に変えた方が、相続税の評価が下がるからです。
1億円の現金の相続税評価額は1億円です。
それに対し、1億円で建てたアパートの相続税評価額は約4,200万円になります。
建築費1億円の建物だと、固定資産税評価額が6,000万円ぐらいになります。
建築費の6掛け(×60%)評価というところです(1億円×60%=6,000万円)。
その建物がアパートだと、借家権(入居者に生まれる権利)の分だけ評価が30%下がるため、7掛け(×70%)評価になります(6,000万円×70%=4,200万円)。
アパートじゃなくてもOK
アパートなどの貸家でないと「×70%」はできませんが、貸家でなくても「×60%」はできます。
相続税対策をしたい方が、ご自分の家を建ててもいいですし、子供が住む家を建ててもいいです(子供にあげたら贈与になってしまうので注意)。
建築費の6掛け評価になりますので、相続税の課税対象が40%部分だけ減少します。
他への影響に注意
持ち家のない子供が自宅敷地を相続した場合、一定の要件を満たせば、その自宅敷地につき、「家なき子の小規模宅地等の特例」の適用を受けることができますが、「×60%」を使うために新たに建てた家にその相続人が住んでいると、その相続人が自宅敷地を相続しても、「家なき子の小規模宅地等の特例」の適用を受けることはできません。
参考 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)国税庁○特定居住用宅地等の要件
取得者等ごとの要件(一部抜粋)
相続開始前3年以内に日本国内にある取得者、取得者の配偶者、取得者の三親等内の親族又は取得者と特別の関係がある一定の法人(注6)が所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます。)に居住したことがないこと。
その新たに建てた家に住んでいた相続人が、亡くなった方と生計を一にしていた場合には、一定の要件を満たせば、その新たに建てた家の敷地について、「小規模宅地等の特例」の適用を受けることができます。
参考 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)国税庁○特定居住用宅地等の要件
区分(一部抜粋)
被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の居住の用に供されていた宅地等
想う相続税理士