相続税専門税理士の富山です。
今回は、事業用財産についてお話します。
税務署にお知らせ済みの相続財産
「相続税」と言うと、何となく家の財産を申告するというイメージがあるかもしれませんが、個人事業主の方の場合には、その事業に関連する財産についても、相続税の課税の対象となります。
事業で使っている機械や棚卸資産なども対象となるのです。
売上が大きくなくても資産は多い(色々と所有している)ということもあるはずです。
事業をしていれば、確定申告により税務署にその内容を自分で知らせていますから、隠してもバレます。
仕入をストックしておく事業の場合は相続税が大変
高額な商品を仕入れておくような事業をしている場合には、その高額な棚卸資産にも相続税が課税されますので、注意が必要です。
商品は、その販売された時に、その利益に対して所得税が課税されるワケですから、税金がかかるのはそれだけでいいように感じられるかもしれませんが、この棚卸資産も個人の持ち物ですので、相続税の課税対象となります。
高額な商品の場合には、回転率が低く、また、支払方法も現金一括払いではない場合があるかもしれません。
つまり、「現金化が難しい」と思われますので、早めの相続税の「試算」と「納税資金の準備」をしておく必要があります。
また、金額の大きい小さいに関係なく、所得税の確定申告で税務署に申告している棚卸資産の内容と、相続税の申告書上における棚卸資産の内容が食い違っていないか、ご確認ください。
もちろん、計算(評価)の時点は「年末」と「亡くなった日」で違いますが、内容や規模感があまりに違うと、税務署も「アレッ?」(「今までの申告、ちゃんとやっていたのかな?」)と思うかもしれません。
農業や不動産、そして雑所得の場合にも事業用資産はある
事業と言うと、一般の「営業」的な事業をイメージされるかもしれませんが、事業用資産があり得るのはそれだけではありません。
「農業」を営んでいたり「不動産賃貸業」を営んでいる場合も同様に、事業用資産があり得ます。
農業で使う機械は結構高かったりしますよね。
また、不動産賃貸業でも、土地や建物は固定資産税の課税明細書に載っていますが、それ以外ですと、構築物なんかが通常はあるはずです。
また、これらの事業だけではなく、「雑所得」でも、例えば太陽光発電をしている場合には、その太陽光発電設備があるはずです。
想う相続税理士
その株式に対して相続税が課税されます。