相続税専門税理士の富山です。
今回は、相続人以外の方に、相続財産を渡す方法について、お話します。
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遺言がなければ相続人の方しか財産を取得できない
遺言があれば、相続人の方にでも、相続人以外の方にでも、財産を渡すことができます。
もし遺言がなければ、相続人間の遺産分割協議により、遺産分けが決定します。
この場合には、相続人の方しか遺産分割協議に参加できないため、相続人以外の方は財産をもらうことができません。
遺言があれば相続人以外の方にも財産を渡せる
つまり、遺言を作成しないまま相続が発生すると、相続人以外の方は、財産をもらうことができない、ということです。
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放棄されたら財産をもらってもらえない
民法(一部抜粋)
(遺贈の放棄)
第九百八十六条 受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができる。
2 遺贈の放棄は、遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。
遺言で財産をあげる、という行為は、遺贈者(遺言を書いた人)の一方的な行為です。
受遺者(もらう人)が「やーだよ」と言えば、もらってもらえません。
死因贈与契約なら財産をもらってもらえる
「死因贈与契約」というモノがあります。
贈与者が死亡により効力が生じる贈与の契約です。
生前に、贈与者と受贈者で、亡くなった時に財産をあげることを契約しておくのです。
本人(受贈者・もらう人)がもらう、と約束しているワケですから、受遺者は「やーだよ」とは言えません。
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遺留分侵害額の請求の対象になる
遺言や死因贈与契約により、亡くなった場合に相続人以外の方に財産をあげることができるのですが、たくさんあげた場合、もらった人が相続人の方にお金を支払わなければならなくなる場合があります。
遺贈や死因贈与により財産が多く移転したことにより、相続人の方が、民法で相続人に認められている最低限の財産の取り分をもらえなかった場合、その取り分に達するまでの分(不足分)を、多くもらった方にお金で請求できるのです(「遺留分侵害額の請求」と言います)。
遺言を作成したり、死因贈与契約を締結する場合には、遺留分にも留意しましょう。
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